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東京医大問題 文科省の責任

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東京医大は、文科省科学技術・学術政策局長であった佐野太 被告の息子を裏口入学させていました。それらの捜査過程から余罪が続々と発覚しています。

贈賄側が“官僚攻略リスト”作成 文科省汚職事件(FNN) - Yahoo!ニュース

順天堂大医学部など、別の関東私大も不正入試か(読売新聞) - Yahoo!ニュース

昭和大、面接で得点操作…2浪以上を不当に差別(読売新聞) - Yahoo!ニュース

順大 合否差は「機械的に」 | 2018/10/25(木) 8:42 - Yahoo!ニュース

 

www.nikkei.com

東京医大の前学長や前理事長らは、容疑を認めたことから、高齢などを理由に逮捕せず在宅起訴になっていましたが、口裏あわせの時間を与えてしまったようで、否認に転じました。

 

医大女性差別

中でも悪質だと指摘されたのは、女性受験者の合格者数を減らしていたことです。

 

西川史子、東京医科大の女子受験者一律減点に言及 「当たり前」 - ライブドアニュース

西川さんは医大の肩を持ちますが、「男女差をつけるのが当然」なら、医師免許を持っている人が他分野の活動に時間をとっているのもどうなのでしょうね。

 

「女性は外科をやりたがらない」「女性は産休・時短などがあって半人前」という意見もありますが、これは就職面接ではなく大学受験です。

保険医になるには一定期間の研修など条件はつきますが、基本的には美容師などと同じ独立開業が可能な資格なので、組織の理屈は参考程度のものです。

 

やまもといちろう 公式ブログ - 医学部の男女差を「合格者数」「合格率」で比べる馬鹿が多い件について - Powered by LINE

山本さんは、「女性の学力が低いだけかも」「慶應の医学部は女性の合格率が高い」「受験者数は入学者数ではない」と書いていましたが、おおよその学力は受験前に分かっているでしょうし、問題視されているのは、諸条件を考慮しても不自然だとされている30%弱です。

女性合格率が高い学校がさほど問題にならないのは、人数では男性が多いからです。

慶應も合格率は女性の方が高いですが、入学者数では男性が4倍多いです。

 

ちなみにわりと最近、慶應義塾大学病院で男性医師にドクハラを受けたので、かなり質の悪い病院だと思っています。

 

東京医大、女子55人が不正入試で不合格 第三者委公表:朝日新聞デジタル

東京医大追加合格7割が女子・入学は63人上限(読売新聞) - Yahoo!ニュース

東京医大“本来合格”101人 文科大臣「大変遺憾」(テレビ朝日系(ANN)) - Yahoo!ニュース

今回は医大自身が認めているので、故意に男女差をつけていたという点は、その前提で語って問題ないと思います。

 

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また、女性医師の就業率は男性に比べると低いですが、60歳をこえると逆転して女性医師が多くなりますし、就業率が低い30代でも一般女性と比べると10%は高いです。

医師という職業が女性に向いていないとは限らないのかなとも思います。

 

昭和大、6年前から入試操作 現役10点・1浪5点(産経新聞) - Yahoo!ニュース

不正を行ってきた大学では、2浪以上の男性も差別されてきました。

女性の不合格者は2浪を目指すことさえ許されない状態だったということです。

女性の社会参画では出産との兼ね合いが課題ですが、同時に、子を持たない生き方を望んでいる人もいます。

そういう人も一括りに落とされていたかと思うと、性差別の罪は重いなと思います。

 

最近ではIT関係でも医師免許をもった人が増えています。

専門知識は既存の診療以外にも広く活用できるもので、そういった活用が必ずしも既存の用途に劣るとは限りません。

安全性を向上させながらコストを抑えていくには、機械化の促進やAIの性能向上が必要で、たとえば、病院に行く前に自宅で手軽に健康状態をスキャンできれば、医師の誤診防止に役立ちます。

外科は別格だとしても、医療機器の性能が向上していくことで、求められるスキルが変わっていくこともあると思います。

今まで分断されていた役割を繋ぐこともできます。

 

東京医大の差別は系列病院の運営のためであり、かなり恣意的に、女性受験者や浪人生を間引いてきたことになりますが、もし2割しかグループ病院に残らなかったとしても、国民にとって不利益であるとは限りません。

 

学生を効率良く医師にすることが目的だと思っている議員もいるようですが、本来の目的は国民の健康を守ることです。

病気や怪我を治療できる人がいれば良いだけなので、医師である必要はありませんし、治療できない医師なんていりません。

最近では「うちでは診ませんが、何あって訴訟を起こされても困るので、他の病院で診察はしてください」と直接言ってくる医師も増えました。

どんな事情があるか知りませんが、そんなものに投資価値も存在意義もありません。

 

厳密に調査すればドクハラや誤診の被害経験者はかなりの割合になると思いますから、全体改革を行っていくべきだと思います。

 

ただ、医大に入れなければ医師になれないわけではありませんし、完全な民間事業であれば、女子大でも、女性専用車両でも、本来は自由に作れます。

前提条件が公正であるなら、私大の独自色は認められます。

 

公正な前提条件とは、自由に増やせることです。

「条件さえ満たせば自由に開学できる」なら、私大は独自色を持って運営できます。

自由にできないなら公的機関に近い位置づけなので、勝手なことはできません。

 

現在は、全国の医療従事者の育成機関として国から支援を受けて成り立っています。

教育は自治体管轄なので、文科省が大学に交付金を与えているのも問題ですが、いずれにしても、自分のところで働く医師を育てるだけの機関であってはいけません。

たとえ性別の合格割合を公表していたとしても許されません。

 

文科省の責任をきちんと追及するべき

文科省は、裏口入学の当事者です。

東京医科大、女性支援で8000万円超の補助金受ける TBS NEWS

交付金等を出してきたのも文科省です。

医大の不正を知らなかったとは思えませんし、知らなかったとしたら責任問題に発展するほどの杜撰さです。

 

文科幹部が全国立大に寄付金依頼、柴山大臣「やめさせる」(TBS系(JNN)) - Yahoo!ニュース

普通に考えれば、裏口入学等と引き換えに告示を設けて、利益誘導してきたのだろうと思います。

 

加計問題の獣医学部新設について、文科省が不当な告示を行っていることが問題になりましたが、この規制は医学部も同じです。 

獣医学部は52年ぶりに新設(加計学園)が認められましたが、医学部も2016年・2017年に37~38年ぶりに新設(国際医療福祉大学/成田)されました。

 

大学、短期大学、高等専門学校等の設置の際の入学定員の取扱い等に係る基準:文部科学省

<告示の内容>

文部科学大臣は、大学、短期大学、高等専門学校等の設置又は収容定員増の認可の審査に関しては、学校教育法、大学設置基準、短期大学設置基準、高等専門学校設置基準その他の法令に適合すること及び次に掲げる要件を満たすことを審査の基準とする

医師、歯科医師、獣医師、教員及び船舶職員の養成に係る大学等の設置又は収容定員増でないこと

 

www.sankei.com

日本獣医師政治連盟委員長の北村直人さんは、以下のように述べています。

蔵内会長は麻生大臣、下村大臣に、私は石破大臣と折衝をし、一つ大きな壁を作って頂いている状況である

献金を受け取っている政治家です。 

 平成 27 年度 全国獣医師会事務・事業推進会議の開催

特に,地方公務員獣医師の処遇の問題,あるいは獣医学教育,新たに大学を設置しようという謬論がまかり通るような状況を何とか阻止しなければならない訳であります

石破担当大臣と相談をした結果,最終的に,「既存の大学・学部で対応が困難な場合」という文言を入れていただきました

ただし,今後もこの問題は尾を引いてくると思います.つまり,日本の最高権力者である内閣総理大臣が作れと言えばできてしまう仕組みになっております

私たちは現在の内閣に対して敵に回らざるを得ないのですが,獣医師会としては抵抗勢力にはなりたくない,抵抗勢力としてマスメディア等々で取り上げられ,獣医師会は抵抗勢力である,訳の分からないことを言っている団体だということになりますと,世論の風当たりは強いものになります.日本獣医師政治連盟といたしましては,先ほど申し上げました 3 つの条件は,現存の 16 獣医学系大学においてきちんとした教育をすることが重要であり,1 にも 2 にもまず 16 獣医学系大学が今回の答申に対するコメントをするべきであるということがわれわれの見解です.

今回の獣医師養成大学・学部の新設については,どこを読んでもこれを覆すような状況は一つも見当たらない,つまり,新しい獣医学系大学・学部の設置はできないということが今回の骨太方針,成長戦略の文言に書いてあると考えております

既存教育で十分であるという根拠がないまま、「新設を阻止する」ことを目的として、妨害行為を行ってきたことが分かります。

 

医大・医学部の新設は、医師の過剰供給を理由に文科省が禁止してきました。

でも、行政が市場のニーズをコントロールしてはならず、国家資格に対して、就職や給与を保障してはいけないことになっています。

医師や弁護士などは、資格を持っていないと業を行えない<業務独占資格>ですが、「市場競争の中で淘汰・正常化される」という前提は一般職と同じです。

 

この告示は経済的自由権を侵害するものなので、だいぶ前から廃止を求められきましたが、文科省は従わずにきました。

相当な合理的理由があれば特例として認められることもあるからで、文科省は根拠があると説明してきました。

色んな省庁と連携して作った膨大なデータの分析、そこから導き出した結論があるということなので、文科省はそれを提出して説明をすれば良いのですが、加計学園問題の時に、そういったデータがないことが判明しました。

 

合理的理由なく自由権を侵害する告示を続けてきたわけですから、大問題です。

ところが文科省は、謝罪や廃止をするどころか、「各省庁がデータをくれないから知らない」「否定するならそっちが根拠を示せ」と責任転嫁や逆切れをしました。

告示が行政の特権だと勘違いしているのだろうと思います。

 

告示が必要な場合は、廃止後に相当な根拠をもって再検討を行うしかありません。

現段階では、本来は告示も石破四か条も認められません。

 

医学部新設について 公益社団法人 日本医師会

医師会等はあくまで偏在が問題であると主張してきましたが、助成金目当てです。

私大の場合は、私学助成金が問題視されることが多いですが、医師会は私学助成金の拡充を求めてきました。

研修や各医療機関への支援増額要請、偏在対策も含めると、かなりの額になります。

地域医療再生基金の概要

規模の比較でいうと、東京医大私学助成金は23億円くらいですが、更なる支援を求めている地域医療再生基金厚労省)だけでも3000億円以上あります。

私学助成金も積もれば大した額ですが、早稲田や日大の90億円規模ほどではありませんし、結局は何かしらの形で巨額の金が医師会に流れます。

 

これらは偏在を理由にした要望なので、「医学部の新設を認めない」という告示だけで、これほどの金を自由にしているということです。

ある意味すごいですが、最もシンプルな解決策は医師数を増やすことです。

全体数が増えれば地方にも医師は増えます。

医師にならない人でも大学に進学しますから、門戸を広く開いておくのは良いことですし、高度人材が少ないのはこれまでのやり方が間違っていたという証左です。

 

市場競争に懐疑的な声もありますが、一般社会と統一しなければいけません。

国家資格は運転免許と同じ技能資格で階級証明ではありませんから、優遇することはできません。

 

よくある反論に「医者が萎縮する」「医師のなり手が減る」というものがありますが、医師だけが「温室から出て市場競争に晒されたら現場が崩壊する」としたら、根本教育から間違っているとしか言いようがありません。

 

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こちらはパッと探して比較できる年齢区分があった範囲の男女収入をグラフにしたものです。

医師に比べると歯科医師の年収は低いですが、一般の倍はあります。

また、看護師は一般的な女性社員の年収より高く、一般の男性社員より少ないくらいで、看護師間でも男性の方が給与が高いようです。

 

職務上のリスクはその収入で相殺されるので、競争社会への適応は職務上のリスクでは否定できません。

「医者は大変な仕事だから」という言い訳は通用しないということです。

 

だから文科省は「医師を育てるのに必要な教育・試験制度である」という理屈を押してきましたが、実はその根拠がなかったので、じゃあ何なんだとなるわけです。

「医師が飯を食えるように人数を調整」という理由は憲法違反なので通せません。

そのため、「医師が減ると国民が医療を受けられなくなるので、医師数を維持できるように調整している」という曖昧な言い回しをします。

でも、告示は新設や増員を制限しているだけなので、不足を調整できません。

質の確保にあたる部分が大学受験だけというのも、技能資格としては違和感があるところで、学生数を増やして選りすぐりが世に出てくる方が国民のためにはなります。

 

「海外医学部」留学希望が急増する「医学教育」の情けない実情 - 上昌広 (1/2)

偏在も問題ではありますが、これも元を正せば国のせいです。 

我が国の名門大学の多くは戦前に設立された。医学部の場合、戦前に17校が存在した。多くは江戸時代の藩の医学校から発展している。東京大学江戸幕府の医学所、九州大学福岡藩の賛生館という具合だ。 

高度成長期、無医村解消を目指し、1県1医大政策が推し進められたが、これがさらに偏在を悪化させた。

西日本には小さい県が多いため、結果的に地域全体として多くの医学部が新設される形になったからだ。1975年の千葉県の人口は415万人で、404万人の四国とほぼ同じだった。ところが、徳島県以外の3県に国立の医学部が新設されたが、千葉大学があった千葉県には医学部は新設されなかった。その後、千葉県の人口は622万(2015年)と49%も増えて、四国は人口が減った。この結果、さらに格差は拡がった。

首都圏で国公立の医学部が不足しているのを緩和したのは、私大医学部の新設だ。現在、我が国には31校の私大医学部があるが、このうち首都圏に16校が集中する。

この結果、首都圏の医学部と言えば私大医学部、というイメージが定着した。そのため、普通の家庭で育った若者にとって、医学部は極めて狭き門となってしまった。

最近注目を集めているのは、東欧の医学部だ。ハンガリースロバキアチェコブルガリアの医学部には、すでに約370人の日本人が在籍している。

 

EUでは、EU内のどの医学部を卒業しても、医師資格試験に合格すれば、EU内で通用する共通免許を取得することができる。

 

日本の私大医学部や米国の有名医学部と違い、東欧の医学部なら、日本のサラリーマン家庭でも十分に負担出来る金額である

6年間の学部費用は、スロバキア666万円、チェコ684万円、ハンガリー1203万円。

アメリカは少し高いですが、高いハーバード大学でも2400万円。

日本は、国際医療福祉大学(千葉県成田市)1850万円~川崎医科大学岡山県倉敷市)4550万円。

 

国際医療福祉大学の成田キャンパスは、先にあげた国家戦略特区で37年ぶりに医師不足対策として新設されたもので、私大の中で最も安い授業料が設定されました。

 

医学部に限らず、大学の多くは地元出身者で締められる。

東大の関東出身者、京都大学大阪大学近畿地方出身者は、例年6割弱だ。九州大学名古屋大学は7割以上を地元出身者が占める。

 

首都圏の高校生が医師になりたいと希望した場合、多くは首都圏か東北地方の国公立の医学部を目指す。それで駄目な場合は諦めるか、西日本の医学部に進学する。ただ、偏差値は高く、合格は至難の業だ。

 

政府は大学教育の国際化を推し進めている。ところが、その効果はイマイチだ。日本の主要大学の世界ランキングは低下の一途を辿っており、その理由の1つに国際化の遅れが挙げられている。

記事を書いた上さんは医師で教授ですから多少意見が偏っているとは思います。

海外に出ていく人達は、英語を勉強してusmleをクリアしなけませんから、西日本の偏差値が高いからという理由で海外進出しているとは限らないと思いますし、都会の若者を分散されるために国立大学は地方に作った方が良いと思います。

 

問題は医師不足に対して学生数が少ないことです。

記事では医師不足の原因が国立大の偏在にあるかのように誘導していますが、既存の医学部では定員超過の違反を行ってきました。

毎年一定以上の学生数が定員数から溢れているなら、学部を新設すれば良いのですが、文科省は定員超過を知りながらあえて手をいれずに、新設を阻んできました。

 

この点は前川喜平文科省事務次官も国会で答弁しています。

「必要な違反だから柔軟に対応してきた(見て見ぬふり)」

「新設するより増員の方が良い(増員も認めていないかったが)」

自分達の違反は正当性があるが、政治家が岩盤規制を壊すのは行政を歪めることになる、という凄い理屈ですが、根拠を示さないことには話になりません。

 

医師不足

30数年ぶりの「医学部」設置認可 !

医学部新設38年ぶり 医師不足解消?過剰に拍車?(1/2ページ) - 産経ニュース

私大の独自性を認めるなら、新設、開学をもっと柔軟に認めるべきですが、文科省が規制を設けて阻んできました。

その結果、2000年くらいから深刻な医師不足が問題になっています。

 

図録▽医師数・看護師数の国際比較 

世界各国比較|医師・看護師・歯科医師・薬剤師数ランキング

日本の医師数は人口数に対して十分ではなく、傾向も横ばいです。

 

医師会は2020年までにOECDの平均に到達すると主張していますが、平均以下なのに医学部の新設を認めていない異常事態が続いていただけで、日本は高齢者の医療需要が高いのでOECD平均では少ないです。

また、問題はその後に激減することなので、高齢医師を含めてピークに近くなる2020年の推計なんて持ち出してくること自体が不誠実だと思います。

 

第2回 情報操作を続ける厚労省の罪~医師数編~ « 大阪保険医協会・勤務医フォーラム

クリニックにおける事業承継 | 長野県・山梨県のクリニック開業・医院開業なら開業医相談所へ|松本市、安曇野市、塩尻市、長野市

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団塊世代は70歳前後ですから、まだ60%が働いています。

診療所で働く医師の半数が60歳以上で、残り半分の30%くらいが50代です。

40代以下は全体の20%程度しかいないということです。

 

医師会は、2025年には36.2万人まで増加すると言っていますが(現在32万人)、団塊ジュニア世代の医療需要が上がるのは15年後(2033年)くらいからで、介護需要が上がるのは25年後(2043年)くらいからです。

自分達が死んだ後のことなんて関係ないと思っているのかもしれませんが、問題を隠蔽しているようにさえ感じます。

現在70歳前後の団塊世代は、10年後には現役を退きますが、若い世代の医師はそこまで人数がいないので、医師不足が一気に加速します。

残る医師も、たとえば現在50歳でも25年後には75歳なので、老齢患者よりも高齢の医師が増えます。

この状態で外科不足を解消できるとは思えません。

 

外国人医師に頼るのも難しいと思います。

外国人患者受入れ体制をどうするか?|リクルートドクターズキャリア

医療機関における外国人旅行者及び在留外国人受入れ体制等の実態調査

増える外国人医師・看護師 評判上々、言葉の壁なお|ヘルスUP|NIKKEI STYLE

医師不足は外国人医師の招へいで解決できるのか | MRIC by 医療ガバナンス学会

 

国によっては医師になるのにかなり努力を要しますが、日本で医療行為を行うには、日本語を勉強したり、医師国家試験を受験するといったハードルがあります。

そこまで優秀な医師が、米国ではなく日本で働いてくれかどうかです。

【最終回】外国人医師の受け入れ拡大に医師は「No」、患者は「Yes」:日経ビジネスオンライン

アメリカ人医師の収入事情。医師になるまで3000万かかるアメリカ | 世界の謎発見

北米臨床留学 | 名古屋大学大学院医学系研究科 総合医学専攻 運動・形態外科学 整形外科学/リウマチ学

医師免許について | ハンガリー医科大学事務局

医師を志す若者がハンガリーに進学する理由 | 最新の週刊東洋経済 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

ECFMGの2023年からの要求

海外の専門医制度(アメリカ、イギリス、韓国、ドイツ、フランス)

 

日本への移民流入が世界4位に 15年39万人、5年で12万人増 OECD統計:ニュース:全国経済:qBiz 西日本新聞経済電子版 | 九州の経済情報サイト

現在、外国人労働者に関する法案が話題になっていますが、日本は既に外国人流入が世界4位という多さで、出入りがあっても3割は残る移民大国です。

 

また、国家戦略特区では「安部友政策」という点が注目されていますが、この政策の肝は「岩盤規制を打破して経済的自由権を保障すること」と「外国人労働者を増やすこと」です。

外国人労働者については、スタートアップビザや農業支援が代表的ですが、今治市のある愛媛県からは「外国人雇用特区」について【具体化検討結果】 の要望が出ていたほどです。

私は、外国人労働者は限定的であるべきと思っている慎重派なので(受け入れるなら人権保障が必要)、加計学園問題では当初よりこの部分を注目していました。

 

これだけやっても「人手不足」なら別に原因があると考えるのが普通ですが、既に外国人が増えているので、外国人向けの外国人医師にも需要はあると思います。

統計データを探す | 政府統計の総合窓口

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2016年時点でも2409人の外国人医師が働いていますから、多少の受け入れ拡大は望めると思いますが、あくまで外国人向けの供給であり、日本全体の医師不足を解消できるほどの人数が集まるとは思えません。

 

人口が多い団塊ジュニア世代への医療や介護需要に応えるには、この30年間で医師数を増やす政策が必要でした。

 

増加させるなら、女性医師数を増やすのが得策だったと思います。

総合医療が進んでいくにつれ、時短労働者や兼業者をシフトに組み込んでいきやすくなるかもしれませんが、そのときに労働者を確保できなければ意味がありません。

 

政府はこの間、介護士など医師の独占業を侵さない範囲で増員を行ってきましが、これからは薬の個人輸入や権限拡大も含め、認めざるを得なくなってくると思います。

 

切迫した状況ではありますが、医師を増やす時期としてはまだ間に合います。

でもこの機を見送ると医療を受けられない人が増えるので、多少無理を通しても、ここで一気に構造改革をしておいた方が良いと思います。 

 

自民党と医師会は繋がりが深いので、医療改革を行うなら政権交代が必須です。

 

まずは医師数を増やす

医師や獣医師は、「受験できる人を制限はするが合格率は高い」(合格率90%以上)という方法で、受験者数を調整しています。

よく比較される司法試験は、「誰でも受験できるが合格率が低い」という逆の方法をとっています。合格者数を調整するやり方です。(合格率25%前後)

 

医師や獣医師は、本試験前の卒業試験等で弾かれると言われていますが、留年は10%程度なので、全体でも80%以上が医師になっています。

市中病院、「給与50万円以上」が12.5%◆Vol.4|医療維新 - m3.comの医療コラム

国家資格取得後に2年間の臨床研修がありますが、研修中は医師以上に稼ぐこともできます。

 

法曹は、国家資格を取得後に司法研修が1年間あり、司法研修の卒業試験があります。

卒業試験の合格率は90%なので、最終的には当初の20%程度の合格率になります。

司法修習生「給費制」がついに復活…残された課題は「金額」と「谷間の世代」 - 弁護士ドットコム

司法修習生の給費制と修習給付金制度との比較等

法研修は2011年から無給になりましたが、現在は給与制に戻っているようです。

 

試験については、司法試験型の方が良く、研修制度は医師型が良いと思います。

医師試験型では不正が起こりやすく、司法研修制度では生活ができません。

どちらも結果として期間が長期化していて、その間の学費や生活費を工面できる「金持ち優遇制度」になっています。

これは仕組みというより、それぞれの既得権益団体による規制だと思います。

研修費も出せないなら、協会組織は何のためにあるのか疑問です。

 

医学部での修学期間は法律で定められていますが、後半の2年間は主に研修と受験対策を行っていて、知識習得や技能訓練は4年間で終えていると聞いたことがあります。

色んなやり方がある中で、現在の仕組みに固執するならその合理的な理由を説明しないといけませんが、文科省は答えられていません。

 

医学部や獣医学部の増設について危惧する声の中には、「司法制度改革の二の舞になる」というものがあります。

確かに失敗ではありますが、すべてが失敗というわけでもありません。

 

司法制度改革によって2004年に法科大学院制度が導入されました。

法科大学院はどこへ向かうのか(上) : 特集 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

青山学院大学法務研究科の学生募集停止について | 青山学院大学

徐々に私大が増えて定員割れを起こし、国家試験の合格率が低い大学は学生を集められずに撤退に至っています。

 

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こちらは都道府県ごとの登録弁護士数の推移をグラフにしたものです。

緑が2005年、紫が2015年までの10年間に増加した人数です。

東京、大阪などは人数が多いので省いていますが、どの地域でも増加しています。

 

都会や都心は人数が多く、研修中の給与も低いことから、「食べていけなくなった」というのは嘘ではありませんし、交付金の無駄使いであるとか、改革が必要な部分は当然あります。

ただ、弁護士が不足している地方でも増えているのは確かで、近年は都会からの移転も増えているようです。

 

弁護士が語る!「司法修習」って一体何やってるの? - シェアしたくなる法律相談所

目標値には届いていませんが、「弁護士数を増やす」という目的に対して、学部を増やすやり方は効果があったといえます。

この方法は、医師にも同様の効果を期待できると思います。

 

 

平成30年度 予算案の概要

地域医療の危機的な現状 | 地域医療の再生にむけて - 岩手県

 

 

「人数」とは別に「質の向上」にも努めていかなければいけませんが、それは研修や評価制度、技術力が優先される組織構造への転換など、諸問題を含めた課題です。

 

たとえば、大学病院の質が悪いとはいえ、個人経営ならまともかというと、そうではありません。

ハラスメントやブラック労働の多くは中小企業で起こっています。

ピラミッド構造の中で、雇用や育成、評価などを内部ですべて行っていることに問題があるので、ワンマン経営ではより顕著に表れます。

正常な市場競争を期待するには、権限をもった外部監査をいくつも組み合わせて義務化する必要があり、それらを適切に公表していく等、新たな仕組みも必要です。

 

改善案を考える

司法試験も医師国家試験も、改革の基本は同じだと思います。

●関連資格を統合して、横の分散ではなく、縦の段階(STEP)にしていく。

●試験は司法試験、研修制度は医師型に変える。

●1年毎に進級試験を行う。

●医学部等を増やして進学先の選択肢を増やす。

 

医学部や医療系の国家資格は、看護師、医師を一元化します。

1年目は共通の医療基礎学習、2年目は共通の技能研修を行い、進級試験合格者に<看護師>の国家資格受験資格を与えて、合格者は専用学習へ、不合格者は前次に戻るなどの選択肢を用意します。

3年目の進級試験合格者には<医師>の国家試験の受験資格を与えて、同じように専用学習へ進むなどしますが(4年目)、<看護師>資格を持つ人の編入を可能にします。

5年目の修業認定者は「卒業して実務研修/時給制」か「関連組織外での在学研修/無報酬1年」を選択して、後者の場合には6年目に就職か実務研修かを選択します。

就職や開業については、科別専門の国家資格を必須とすれば、実務研修で経験を積んでから選ぶか、在学研修で勉強期間を作って先に資格を取得するか、選ぶようになるので、いずれにしても質が向上すると思います。

 

・看護師も現場を経験して適正を知ってから医師を目指せるようになる。

・優秀な人は5年で卒業できるので、学費や生活費の工面がしやすくなる。

・合格しなくても一定回数は学習し直すことができる。

・不合格者を正式増員として認めることで大学も一定数の学生を確保できる。

・高度試験と共通学習で従事者全体の能力を上げる。

・医師として就職するには国家資格以外に科別資格が必須なので質が上がる。

・国家試験対策は進級試験の中で行うことによって無駄な対策期間を省ける。

・医師が増えて患者が医師を選べるようになる。

・看護師の育成学校は専門まであって数が多いため、学部を総合する際に、一から始めるよりは現実的に着手できる。

 

司法試験の場合は、司法書士、法曹資格を統合します。

2年目の受験資格が<司法書士>、3年目が<法曹資格>、あとの流れは一緒です。

 

統合や一元化をする理由は、内容が被っている部分があるからです。

多少の違いはあるので専門学習は必要ですが、医師・法曹資格はそれぞれの上位資格になっているのに、分断されているため、たとえば看護師が医師を目指そうとすると、医学部に通い直さなければいけません。

何年も実務に携わってきた人や現場の課題を知っている人は社会の宝ですが、活用の場をうまく提供できていないと思います。

 

世界中で議論されている問題を、私の思いつきで改善できるとは思っていませんが、何が問題なのか、何がどう改善できるのかは、改善案や代替案など議論の土台になるものがないと、なかなか見えてきません。

なので、捨案だとしても、できるだけ意見には案を添えたいと思っています。

 

結局のところ、変えられるかどうかは政治の力関係によってしまいますが、今いる政治家がずっと政治家でいるわけではありません。

いつか必ず入れ替わるので、より良い代表者となり、より良い代表者を選べるように、何を目指すのか先ず自分達が理解しておく必要があると思います。

多様性や議論の意義とは、多分そういうことだろうと思います。

 

突飛だけど突飛でもない

資格の統合案や分断をなくそうという考え方自体は古くからあります。

医学書院/週刊医学界新聞(第2770号 2008年02月25日)

山内 先生が看護職を辞められたとき,「なぜ看護を裏切って,医者になるの?」といわれたそうですね。これは非常にショッキングな言葉です。

 

私が医学生だったときには,「看護師と比べて」というコンテクストは聞かなかったように思いますが,米国で看護学生として学んでいたときも,臨床で看護を行っていたときも,「こちらの考え方」「むこうの考え方」というように看護には,どうしても医師の業務と比べながら教育していく部分があることを感じていました。

 

監督する人・される人という,対峙するようなあるいは上下のような関係性が医療者のなかに刷り込まれてしまっているということなのでしょうか。

平林 医学と看護が対立するものという考えをもっている看護師もいて,そういう人にとっては,看護師が医師になることは,自分たちの側を裏切って相手の側に行ってしまうことになるのかもしれないと感じました。

山内 お互いに境界領域をカバーしようという考えが共有されていて,内野がしっかりしていると,外野は内野ゴロが出たときに「どうしよう」とうろたえなくてもよいと思うのです。その共通理解がないと,医療現場はとてもあやうい状態になってしまいます。

平林 医師の側に立って感じたことですが,信頼して自分の患者さんを任せるには,やはり看護師にもたくさん勉強してほしいし,知識・技術を磨いてほしいと思うのです。

 

看護師にもフィジカルアセスメントの技能をしっかりと身につけていてほしいと思います。基礎教育では,技術や知識に関する突っ込んだ教育が不足していたように思います。

 

逆に医師も,自分は疾患とその治療法だけわかっていればいい,あとは指示を出せばよい,と考えるのではなくて,踏み込んで手伝ってみると,オーダーの出し方ひとつとってもそれまで気づかなかったことが見えてくると思います。

山内 きちんと説明すること,理解するために十分な知識をもつことはスタートラインですよね。また,平均値的な発想ではなく,患者さんのために医療はすべて一回性であるという立場で提供しなければなりません。

 

看護・医学の教育に携わる人の横の連携と,キャリアパスとしてどうヴァーティカルにつなげていくかという課題も残されています。

平林 最良のトレーニングは相手のポジションを1回経験してみることだと思いますが,現実問題としてそれはむずかしいと思います。次善の策としては,一緒に研修を受ける,トレーニングを積むなど,共有する時間を増やして,相手が何を考えているかを知ることが重要だと思います。

山内 看護師,医師を育てるということではなくて,「その役割をもって医療をする人」を育てるという視点で考えたら,業務がオーバーラップする境界領域から逃げないで,一歩踏み込んでお互いが果たすべき役割について真剣に考えることも大切ですね。

平林 もうひとつ,看護師の立場からは,解剖実習をやりたかったということがあります。医学部では自分の手を使ってご遺体の解剖をしますけれども,看護ではせいぜい見学です。

解剖実習は,最近は2年次など早い時期に行う大学も多いので,そこに看護学生が参加できれば,将来役に立つ知識を手に入れることができ,連帯感も生まれてくると思います。お互いが何を考えて医学部に入ったのか,なぜ看護をめざそうとしたのかというところから話せると思うのです。

 

女性の労働環境の改善を求める声もあり、看護師との比較もあります。

不正合格と労働環境の両面に問題があるためですが、どちらも根は同じです。

 

労働問題では、女性が多い看護師のローテーションは参考になりますが、看護師は短期間で資格がとれるため、世界比較でみても十分に人数がいます。

人の入れ替えができる人数がいるからできることで、医師数を増やさないと同じことはできないだろうと思います。

 

医大の方は、別機関を介して交付金を学生に渡すようにするなど、文科省から交付金利権を引きはがせれば、文科省と医療業界に癒着の旨味が減り、告示などを取り払いやすくなりますが、学生への交付は学費相当でしょうから、正しく教育機関の運営費として使われている部分も削ってしまうということになります。

教育費を削るという意味合いでみると簡単ではない気がします。

また、新設を認めさせれば支出は増えるので、結果的に学生への交付が上乗せ分として増えるだけかもしれません。

急ぐのは告示の廃止と認可機関を外部に置くことなので、そこは後回しにした方が良いと思います。

 

財務省厚労省ほどの巨悪ではないかもしれませんが、個々の問題は、文科省族議員が元凶なので、国民がブレずにしっかりと追求していくことだろうと思います。