ノモア

no more, no less

「東北で良かった」の誤解

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このニュースは、リード文を読めば誤解であろうと察しが付く程度のものでしたが、前回の記者とのやりとりがあったからか、全文が出てくる前から冷静さを欠く意見が目立ちました。

 

私は今村さんの支持者ではありませんし、吉野復興相でも良いと思っていますが、結果が良ければ理由は何でも良いというわけではないので、一応書いておきます。

 

(以下引用" "は今村さんの発言をザックリ書き起こしたものです)

マグニチュード9.0、日本観測史上最大であります。
津波高が9M、湾沖では30M近くなったのもございまして、死者15893人、行方不明2585人、計18478人、この方達がですね、一瞬にして命を失われたわけであります。
また、社会資本等の毀損もですね、色んな勘定の仕方がございますが、25兆円という数字もあります。
これはまだ、東北でですね、あっちの方だから良かったですが、これがもっと首都圏に近かったりすると、莫大なですね、甚大な被害があったと思っております。
復興予算が32兆円、10年間ですね、やっておりまして、おかげさまで、道路でありますとか、あるいは住宅の高台等々ですね、着々と進んでいておりまして、これも本当にみなさまのご声援のおかげということで、改めて、厚く御礼を申し上げる次第でございます。

 

動画をみれば分かりますが、今村さんの発言は「社会資本等の毀損」についてのもので、お金、つまり経済的な被害規模について言及したものです。

首都機能が壊れると、日本全体の経済にも関わってきますし、復興予算も捻出できなくなるわけですから、危惧は当然です。

 

しかもそれは、首都圏が大事で、地方は大事ではない、という話ではありません。

このあと、今村さんは地震プレートや予知技術など、色んな話をします。

ページの最後にザックリ書き起こしたものを載せておきますが、要点は以下です。 

みなさん、また次の地震が来るんじゃないかということで、色々と心配もされているわけであります。
非常に長い地球の歴史の中ではですね、まあごく一部なのかもしれませんが、日本の歴史をみるなかでですね、どうも江戸時代くらいからですね、また活動期に入っているんじゃないかということが言われております。

 

大きな地震に備えるということが、大事だという風に思っておりまして、国土強靭化ということで取り組んでこられましたが、まさにですね、目の前にある危機ということで、我々もしっかり対応していかなきゃいけないし、予算もまだ1兆円くらいなんですね、防災関係だけで絞っていくと。

もう少し充実しなければいけないんじゃないかという風に思っております。

 

ご本人が「首都圏に直下型地震が起きた場合に備えて対策をとるべきという話だった」と説明していましたが、全体を通して聞くと、確かにそういう話であったと思います。

 

地方ならどうなっても良い、という話ではなく、東日本大震災に防災の有りかたを学んでいないことを問題視するものです。

 

東北に向けられている予算は「復興予算」であり、国民への増税名目も大抵は「復興予算の財源を確保するため」ですから、いわば事後予算です。

これは全額が事前対策費となる「防災予算」にあてられるわけではなく、その部分だけでみると1兆円しかないと指摘をしています。

 

社会資本等の毀損は、地方でも25兆円ですから、首都直下型なら更に甚大なものになるのに、その対策費が1兆円で良いのかどうかです。

対策を怠った分だけ長引いて、経済損失・負担も伴って膨れ上がっていきます。

 

防災費は準備費なので、毎年巨額の投資を行うのは難しいかもしれませんが、シェルター、仮設住宅、飲食物の長期保存、トイレ、シャワー、浄水装置、冷暖房、色々と必需品はあるので、より安全で実用的なものにしていくために開発が必要です。

今村さんは話の中で、予知技術や科学技術への投資が必要だと述べており、ここら辺と繋がってくるのだろうと思います。

 

防災に関しては科学技術が必須であり、それに対する開発費が1兆円では足りないということで、応用可能技術であるなら投資は無駄にはならないし、ならないように取り組んでいく努力をするので、予算を調整してほしいという話なのだろうと思います。

 

再度大型の震災や津波が起こったら、しかもそれが首都圏であったとしたら、今の脆弱な体制ではダメージが長期化して、甚大な被害が出るのは目に見えているので、対策すべきだと述べているということで、至極まともな意見だと感じます。

 

世間は全く逆のニュアンスで受け止めて怒っているのではないかと思います。

でも、過去に学ばず何年経っても事前対策ひとつ作れないのだとしたら、そちらの方がよほど犠牲者を軽視していることになると思います。

 

この件を嫌だなと思うのは、マスメディアが集団パニックを誘発している点です。

 

私の友人にも東北の故郷を失った人がいますが、当然、「東京に直下型がきたらもっと大変だろうね」なんて言えません。

被害を過小評価する意味ではなく、あくまで今後の防災や経済に対する側面的事実であったとしても、当事者の悲しみに差はありませんから、やはり配慮します。

 

ただ今村さんの場合は、日本全国の防災を考える立場であり、対策費を捻出するのも仕事で、予算の必要性を訴えていかなければいけません。

そのためには、過去の例との比較が必要になってくる場面もあると思います。

 

予算が何に使われるかも重要ですが、防災の必要性自体は、丁寧に説明すれば大半の国民は納得できると思います。

マスコミの仕事は政治の監視であるという人もいますが、御用聞きに成り下がるのに比べればマシという程度で、本来はこういった内容を掘り下げて、国民に分かり易く説明するのがマスメディアの役目ではないかと思います。

政治家や役人が正しいのなら、なぜ正しいのかを詳細に伝えるべきですし、間違っているのなら、何がどう間違っているのかを伝えるべきです。

いつまでも政局的な偏った情報を流しているのはだいぶ問題があると思います。

本件も、マスメディアがきちんと内容を伝えていれば、ここまでの感情論にはならなかったと思います。

 

headlines.yahoo.co.jp

囲み取材で、記者らが「東北で良かったと言った真意」を聞いていました。

先ず記者達に解釈の誤認があり、それを流布してしまった結果が今です。

どういうつもりか分かりませんが、さすがに記者達の質が低すぎます。

 

世間が冷静に判断できるようになるのは、誤報の呪縛が解けてからなので、時間がかかります。

それだけマスメディアの罪は重いということですが、こういった解釈議論は長期戦になるので、自民党が火消しに動くのも仕方がないと感じます。

ただ、地方の災害を軽視しているかのように伝え、被災者方に不快な思いをさせているのはマスメディアですから、その点は国民も認識した方が良いと思います。

 

以上が本質的な解釈になると思いますが、個人的に、今村さんの発言で1点だけ気になる箇所がありました。

死者15893人、行方不明2585人、計18478人、この方達がですね、一瞬にして命を失われたわけであります。

重箱の隅をつつくような話ではありますが、私なら行方不明者を「命を失われた」人数には含めません。

自分が家族の帰りを待っている立場なら、たとえそれが奇跡的な確率であったとしても、生きて帰ってくることを期待するからです。

たとえ理屈では整理していたとしても、断定してほしくないと思うのが心情です。

あくまで私の感覚ですし、立場の違いもありますから、辞任云々というレベルの話ではないと思いますが、この部分は誤解ではなく配慮不足ではないかと思います。

行方不明者も、復興も、まだ過程の只中にあるので、学ぶことはあるにせよ、過去の災害と並べて総括するのは早い気がします。

 

 

世界で11プレートがあると言われております。
その内の4つが日本の周辺、特にこの富士山周辺にですね、関東周辺に4つ集まっとりまして、変な言い方ですけれども、プレートの交差点みたいなところがあるわけでありまして、そういう意味では、揺れる大地の上に我々は住んでいるということが言えると思っております。

 

色々と動くなかで、当然断層ができるわけでありますが、断層がおきて、それが崩れて、盆地になっていく、そこには色んな低い川が流れるわけですから、地下水が豊富です。
しかし地盤が非常に軟らかいということ、しかし川がありますから、そこに暮らすには良いわけですね。
そういう意味で、一番典型的なのは京都だと思いますが、まさにその上に人が住んでいる、だから京都の伏見のお酒が美味しいのも、この地下水のおかげということもありますし、嵐山のあの崖はまさに断層の跡ということが言えるわけであります。

 

なんでこういう話をするかというとですね、みなさんまた次の地震が来るんじゃないかということで、色々と心配もされているわけであります。
非常に長い地球の歴史の中ではですね、まあごく一部なのかもしれませんが、日本の歴史をみるなかでですね、どうも江戸時代くらいからですね、また活動期に入っているんじゃないかということが言われております。

 

というのはですね、みなさん平安京をご存知かと思いますが、この800年代というのはですね、その名前、平らで安らぎな都という名前をつけたにも関わらず、非常にですね、地震だとかですね、それから、火山の噴火が多い時でありまして、たとえば、貞観の大地震、これが869年、それから富士山が噴火したのが864年ということでありまして、このころ大変な活動をしているわけで、それからしばらくずっと大人しかったんですが、それが今度は江戸に入って少しずつ動き出してきております。

 

ちょうどペリーが来たころに地震等々がおきてですね、それが世の中の不安を煽って、そしてある意味では、明治維新のエネルギーに変わっていった、上手く利用したというような面があるかもしれませんが、そういう中で、いま活動期に入っていると言われております。

 

そしてですね、どこが危ないのだろうということだと思いますが、1つには南海トラフですね。
これは静岡県の方から、ずっと西の方に行く、そこで起きるだろうと、非常に警戒されているところ。
そしてもうひとつは、相模トラフですね。
これは関東大震災を起こした元と言われております。
それからもうひとつは、日本海溝の房総沖、この3つではないかなと思っております。

 

南海トラフというのは、だいたい100年に1回起きる、しかしもう前回1946年に起きた後から70年近くなっているわけですから、ちょっと要注意だなと。
相模トラフというのは、実は平均70年に1回起きているわけですよ。
関東大震災が大正12年、1923年ですから、もう94年、実は経っています。
70年に1回というと、ちょっともうそろそろ危ないねと、むしろ70年を超しているからいつ起きてもおかしくないじゃないかという感じもしているわけでありますが、

あと房総沖というのがですね、意外と騒がれておりませんが、以前やった時が1677年、340年前と言われております。
この時はですね、明治三陸地震と一緒で、あまり地震はなかったけど、大きな津波がきたと言われています。

 

そういう意味で、こういった大きな地震津波なりのリスクを抱えながら我々は生きているわけでありますが、今、予知技術というのが進んでおりまして、GPSとか水圧計とか、あるいは、電磁層の数を調べて感知するとかですね、やっております。

 

そしてですね、今「ちきゅう」という船がありまして、約9000M近くまでパイプをおろして、地殻の様子を探ろうとしています。
つまり、下にずっと潜りこんでいるわけですから、そこでどんな動きがあるかということを検知しておけばですね、だいぶ歪が溜まってきたなとか、そういうのが分かるわけでありまして、その予知に大変有効であると思います。


ちなみにですね、これ簡単にみえますが、パイプは地下に埋めてありますが、船は動くわけです。
船が動くと、ポキッと折れちゃうわけですよ。
そうならないように、この船はですね、定点でピタッと止まる、そして風が吹いても波や潮があってもそこに止まるという素晴らしい技術をもった船であります。

そして、メタンハイドレートや深海生物など、これ石油の元になると言われていますが、そういったものを探索するといったことで、大変な活躍をしている船であります。

 

こういったことをしっかり我々も活用しながら、大きな地震に備えるということが、大事だという風に思っておりまして、国土強靭化ということで取り組んでこられましたが、まさにですね、目の前にある危機ということで、我々もしっかり対応していかなきゃいけないし、予算もまだ1兆円くらいなんですね、防災関係だけで絞っていくと。
もう少し充実しなければいけないんじゃないかという風に思っております。

 

さてですね、こういうハード面での防災も大事でありますが、あとやはりこれらは、ソフト面でも、色んな日本の危機があるわけでありまして、それはやっぱり何と言ってもひとつには人口であると思っております。

 

人口は簡単にいいますと、2004年をピークにしてですね、1億2700万人いたのが、どんどん減っていてですね、今から35~36年経って2050年にはどうなるかというと、これは1・2・3で覚えておいてください。
だいたい人口がですね、3分の1になってしまいます。
4300万人と言われています。
そして、15歳未満が2分の1、15~64歳が3分の2、65歳以上が2分の3ということであります。


これをどう乗り切っていくかということでありますが、まさにこれは、機械化でありますとか、電子化であるとか、あるいは、無駄なサービスをカットするとか、もちろんロボット等もあります、そういうことを導入していく。
そして、もうひとつはやっぱり、元気な高齢者にはしっかり働いてもらうということも大事じゃないかと思っております。

 

財政等の問題もあるわけですが、財政はですね、社会保障は非常に大きいわけでありますけれども、これは国内で回っていくお金ですから、私は国家経済的にはそんなに心配することないのではないかと、むしろそれよりですね、これから海外に市場を求めてどうやって稼いでいくとかというグローバリゼーションにしっかり耐えていくことが大事だと思っております。


そういう意味ではしっかりとした生産力をつけていく、そのためには何と言っても、少数精鋭であっても科学技術の力をしっかりと蓄えていく、そのためには教育を充実する、それによって国の力を高めてですね、このキナ臭い世界情勢、しっかり国防力もつけてですね、やっていく、あるいは、外交文化の力も付けてやっていくということが、これから一番求められるのではないかと思っております。