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少子高齢化は問題なのか?

【1-3】高齢出産は本当に危険なのか? - ノモア

晩婚化は何が問題なのだろうか? - ノモア

続きです。

 

少子高齢化」による問題は可能性の話

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少子高齢化」問題は、事実であるかのように語られていますが、可能性の話です。

 

団塊世代が年金受給を開始したので、以前に比べると高齢者層は増えていますが、現在は労働人口も多いので高齢者過多というわけではありません。

また、全体的には元の人口数に戻る過程です。

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※長期人口推移

一番高くなっているあたりの僅かに右が現在です。

 

厚生年金でいうと、保険料の月額平均は5万円、受給額の平均は15万円、満期40年、年金受給期間は平均18年なので、年金制度を維持していくためには、高齢者1人に対して1.5~2人の労働者が必要です。

たとえば「年少人口10~15%:生産人口55~65%:高齢者25~30%」という人口割合なら理想的です。

 

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現在は「年少人口13%:生産人口61%:高齢者26%」です。

高齢労働者を考慮すると「年少人口13%:生産人口66%:高齢者21%」です。

現高齢者は多産だったので、生産人口も沢山いますから、安定している時期です。

 

いま社会保障費が問題になっているのは、長らく続いた不況のせいなので、高齢者ではなく行政の責任です。

少子高齢化」自体が問題になる可能性があるのは、25年後以降です。

 

少子高齢化の前に「人口過密」である

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平 成 2 7 年国勢調査(速報集計)

日本は人口が増えすぎていて、かなりの人口過密状態です。

生活国土の狭い国でありながら、世界で10番目に人口が多く、人口過密度では世界9番目です。

 

大正9年に146.6人/km2であった人口密度は、2014年には340.7人にまでなっていて、平成27年は大正9年の調査以来はじめて人口減少しました。

 

過去記事にも書きましたが、犯罪は該当人口層の一定割合で発生します。

厳罰化が抑止力になりにくい一方で、規制緩和しても改善しません。

ただ、人口が多いと犯罪率が上がります。

犯罪率、自給率、労働賃金など総合して考えると、人口は減少した方が良いです。

 

問題視されているのは、2035年あたりから団塊ジュニア世代(現40代)の年金受給が始まって、一時的に高齢過多になり人口バランスが崩れることです。

それに対し少子化のスピードがやや速いかも?というのが「少子高齢化問題」です。

 

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スピードがどうというのは、「人口推計」が元になっています。

これは国が独自の方法で出した予想で、寿命が95歳くらいまで上がり、出生率が著しく下がっていくというような前提で、~2060年までの人口を推計したものです。

 

2035年には団塊世代が亡くなり、団塊ジュニア世代が入れ替わりで年金受給を開始して、2060年には団塊ジュニア世代も大半が亡くなります。

2060年時点の65歳以上は、ほとんどが団塊ジュニア世代以降の年代であるはずですが、なぜか人口推計では2060年の65歳以上は3464万人になっています。

 

この人数はもの凄く多いです。

亡くなっているはずの団塊ジュニア世代(1971~1980年代生まれ)でも1800万人程ですから、全員生きているとしても人数が足りません。

たとえば、1965~1986年生まれまで範囲を広げ、1975~1986年生まれが85歳まで生存率100%になり、1965年生まれ95歳が50%生存している計算でないと、この人数になりません。

 

現在の生存率で計算すると、1%が150歳まで生きても人数が足りないので、大幅に寿命が延びる計算で「高齢者過多になる」と言っていることになります。 

かなり大胆な予測ですが、そもそもこの推計の信ぴょう性はどうなのだろうかというと、外れています。

 

人口推計は外れている

2015年(H27)の予測は、

「0~14歳(子)1582万人」「15~64歳(大)7681万人」「65歳~(老)3395万人」

でした。

 

統計局ホームページ/人口推計 過去の各月1日現在人口

でも、実際の2015年(H27)12月報の人口は、

「(子)1614万人:(大)7715万人:(老)3365万人」でした。

予想より「(子)32万人多い:(大)34万人多い:(老)30万人少ない」です。

 

予想よりも子供が沢山生まれていて高齢者は多く亡くなっています

多年度も同じように見比べていくと、この累計誤差はかなりのものになっています。

 

なぜこのような誤差が生まれるかというと、出生数を正しくカウントできていないからで、また重要であるはずの実人口割合より推測を重視しているからです。

 

平均寿命とは

毎年「平均寿命」が発表されていますが、亡くなった人の年齢を足して人数で割っているわけではありません。

各国で算出方法が違いますが、日本では国政調査を元に生命表を出していて、その年の死亡率などから0歳児が何歳まで生きるかという期待値を平均寿命としています。

 

たとえば、2014年の平均寿命は、女性86.83歳、男性80.50歳ですが、これは2014年に生まれた赤ちゃんが、無事に一生を終えた場合はこのくらいまで生きるだろうという期待値です。

現在の傾向を反映したものですから、この平均寿命も信ぴょう性が低いです。

 

第21回生命表について

人口推計も平均寿命も国が出しているものなので、一応この生命表を参照すると、1975年生まれ(団塊ジュニア)の余命は71.73~76.89歳です。

でも、(年金問題が起こる時点での)人口推計では95歳くらいまで生きる計算になっています。

寿命72歳とすると、2060年の高齢者数は1500万人程度(予想の半分)です。

 

理想的な人口数

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2060年の予想となっている8000万人程度は理想的な人口数です。

何をもって理想といえるかというと、自給率との兼ね合いです。

自給率をオーバーする部分は輸入で賄うのでマイナスになります。

 

1億人時点から自給率は20%減っているので、理想的な人口数は8000万人。

輸入を考慮しても、せいぜい9000万人です。

9000万人以下なら、3000万人でも50万人でも良いのですが、今は1.2億人もいます。

 

現在は人口が増えすぎているので、日本において緩やかな人口減少は大変望ましい傾向です。

社会体制を正常化するためのチャンスです。

 

それでも介護問題はあるので、生産人口割合が気になりますよね。

実数の誤差から推算した2060年の人口は、

「(子)941万人:(大)4568万人:(老)3314万人」です。

 

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これだけでは心配ですが、他にも考慮すべき点があります。 

 

先ほど述べた出生数のカウントです。

晩婚化は何が問題なのだろうか? - ノモア

「夫婦の完結出生児率」「合計特殊出生率」は全ての出生数を反映していないので、10~15年もすると現在の出生率は上方修正される可能性が高いです。

 

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また日本は高齢者の労働人口がとても多い国です。

しかし、国の危機予測では高齢労働者を除外して(年金を支える側である)労働者数を計算しています。

 

よく「生産人口1.5人で1人の高齢者を支える時代に…」という煽り記事を見かけますが、本当は支える側にも高齢労働者が加わります。

これまでが多かっただけで、1.5人だからどうということもないのですけどね。

 

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男性60歳以上の7割が働いていて、65歳以上の労働者だけでも650万人います。

2060年にも65歳以上の15%が働くなら498万人が高齢労働者として労働人口に加わります。

 

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そうすると、理想の割合に近づきます。

この割合であれば危機を煽るほどではありません。

 

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これに生命表を反映すると、「(子)13%:(大)66%:(老)21%」という人口割合になります。

現在とあまり変わりません。

 

介護士

現在の介護認定者数(介護高齢者)は620万人で、人口の5%くらいです。

2060年の介護認定者数を441万人、高齢者3:介護士1の配置だとすると、介護士は147万人必要です。(現在と同じ割合なら80万人が必要)

 

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介護福祉士の登録者数の推移 

 

現在の介護福祉士の登録者数は118万人です。(現在は206万人必要で43%不足)

介護福祉士の登録者数の推移|厚生労働省

全員は残りませんが、登録者数は年々増えていて、現時点では130万人と記載されていることもあります。

団塊ジュニア世代と団塊世代という2つの人口ボリュームゾーンが両方とも高齢者層になる時は、団塊ジュニア世代がまだ老老介護できる年齢なので、現在の介護士数が激減するとは限りません。

 

2070年には自然解決する

年金問題」「介護問題」というのは団塊ジュニア世代の問題です。

その世代が年金受給を開始する頃から始まり、亡くなる頃には自然解決します。

2070年までに両方が亡くなっていて、人口割合が正常値に戻るためです。

 

なぜ行政予測の大半が2060年までかというと、そこが問題のピークで、後は自然解決してしまう可能性が高いからです。

 

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だとしても、団塊世代団塊ジュニア世代が老老介護するとして、団塊ジュニア世代は誰が面倒みるんだという課題が残ります。

 

団塊ジュニア世代が介護高齢者になる2045~2060年の15年間は、高齢労働人口を考慮すると「(子)9%:(大)61%:(老)30%」です。

労働人口が高齢者の2倍いますから、制度として必要な人口割合は保てるため、どうにかなりそうです。

 

むしろ問題は現在にあります。

今のような安定した時期に高齢福祉費や介護士が不足するのは、国の経済や制度自体に問題があるということです。

推計を出しているなら、無駄な箱ものを作らずに、もっと早い時期から高齢医療施設の増設に投資すべきでした。

 

お金と人手の調整が必要な場合

以上を踏まえると「少子高齢化」による危機はないと思いますが、もし調整が必要なら、「お金」と「人手」に分けて考える事で解決できます。

 

お金=「年金問題」は社会保障問題であり、国内の問題ですから、お金のあるとこから無いところへ移せば済みます。

 

人手=「介護問題」の人手不足は、機械化や制度改革によって補うことができます。

介護ロボットを造るというより、他の一般労働を機械化することで、人が介護職に就きやすいようにすれば良いのではないかと思います。

人口バランスが崩れるといっても労働人口は数千万人いて、分散しているから人手が不足するだけなので、必要なところに集中するようにすれば良いのです。

 

労働負担の軽減

派遣を「4時間労働制」にするとか - ノモア

労働負担そのものついては、フルタイム=正社員、ハーフタイム=非正規社員、と雇用形態を分けるのが良いと思っています。

 

8h労働が必要なら正社員として雇い、派遣社員バイト等は4h労働制(副業可)として(同じ職場や同雇用主などの下で)24時間以内の連続勤務を禁止します。

 

心身負担の重い仕事は、4h労働にして負担軽減するのが良いと思います。

同一労働同一賃金は線引きが難しい上、賃金保障ではないので賃金水準の低い方に統一される可能性が高いです。

 

給与水準の見直しも必要ですが、重労働の場合は、かなり給与を高くしないと人員確保に繋がりません。

何十万円、何百万円と大幅な上乗せをする場合、さすがにその厚遇に見合ったスキル証明などが必要になりますから、逆に今ほどの人員を雇えなくなります。

介護職など心身共に負担の重い仕事は、お金では解決しにくいので、労働負担そのものを軽減する方が良いと思います。

 

8hの介護は辛くても、4hならできる人はいると思います。

4h制なら、午前中は介護、午後から芸術家として活動するなんてこともできます。

現在はバイトでも1日の労働時間が長いので、就業自体を躊躇します。

長時間労働は、社会復帰や社会参画する際のハードルも高くします。

 

また、この雇用形態であれば、時短労働もしやすくなり、保育所不足も解決します。

現在の時短労働は6hと中途半端であるために、仕事量は減らないのに給与は減って、同僚への皺寄せも起こる上、保育所もフルタイム対応しなければいけなくなるので、施設や保育士不足が起こります。

 

派遣制度では雇用主の立場が強くなるので、必ず労働者が就業先を選べるように流動性を確保しなければいけません。

ところが、企業側の事情だけを考慮して、非正規=正社員よりも低い時給・保障でフルタイム労働をしてくれる人、という制度にしてしまっているため、様々な問題が生じています。

 

もう1つ、4時間労働制だと交代制になるので通勤ラッシュが緩和します。

 

公平な所得額とは?

産業別国内総生産額の推移と 一人あたり付加価値額の推移 

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マネーサプライ推移/赤M2、青M3)

 

日本のマネーストックM3は、1200兆円以上あります。

人口数で割ると、国民ひとりあたり1000万円くらいになります。

ひとりあたりの付加価値額も1000万円くらいです。

 

全てが現金として同時流動するわけではありませんが、内50%としても、国民ひとりあたり500万円くらいにはなります。

平均所得は400~500万円なので、想像ほど不公平な状態ではないのかもしれません。

 

なぜ所得が上がらないか

所得が上がらない理由は、景気低迷や富裕層優遇など色々とありますが、その1つに人口数があります。

給与や社会保障というのは頭割りですから、人数が多いと1人当りの配分は減ります。

人口数が多いと、個々人は豊かになりにくいです。

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15~64歳の生産人口は増え続けてきました。 

人口数は増え続けてきたのに、不景気になっていますから、人口数と経済力が直接関係ないことを私達は身を持って知っています。

人口増が経済成長に役立つのは、人件費の安い途上国くらいです。

 

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※2014年商品分類別貿易額

 

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 ※主な輸出品の輸出額の移り変わり

 

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※電気・電子機器の輸出

 

日本は輸出資源の少ない国で、単価の高い工業製品の輸出に頼っています。

輸出の内容は自動車・化学製品・部品で、ほぼ自動車頼みです。

その自動車も、米国に売るものを米国内で製造しているため、いつ電化製品の二の舞が起こっても不思議ではありません。

輸出(収入)を伸ばすのは難しい状況ですが、人口数が多いため輸入(支出)を削ることもできません。

こういう時期は、給与はあがらないばかりか、都心集中化してサービス業や小売が増えるため悪循環します。

 

経済成長するか、輸入依存度を下げる必要があります。

輸入依存度を下げる方法は、

「人口を増やさない」「自前のエネルギー開発」「地方再生による自給率回復」

の3つに集約されます。

どれも時間がかかるので、すべて同時に進行した方が良いですが、悪手となるのは、労働移民の受け入れと多産化です。

 

年金問題は期間限定の問題

解決策を議論する上で重要なのはこの点です。

出生数を増やすとか、労働移民をいれる案は、2070年後にも響きます。

自然解決をイタズラに長引かせて、子供達に大きなツケを回すことになります。

 

特に労働移民は、労働人口が増えることで全体の賃金水準を下げます。

また日本人は40年間年金保険料を納めますが、たとえば35歳の労働移民は25年程度しか保険料を納付額しません。

でも、払われる社会保障費は同じ(生活保護受給額と同等程度)です。

年金問題が起こる可能性があるその時に、労働移民も年金や生活保護の受給を開始するため、火に油で事態が悪化します。

労働移民が日本で子孫を増やしても、経済安定の助けになりません。

 

少なからず現時点で人口増対策を行うのは得策ではありません。

最低でもあと25年は自然推移に任せた方が良いですが、その後も増やす必要がないので、結局ずっと必要ありません。

 

それは日本人でも同じで、出生数を増やすと社会保障費が膨らみます。

自然な推移は問題ありませんが、いま生まれてくる子供は25年間は学生で、そこから10年は社会人としての教育期間なので給与が上がり難いです。

 

いま生まれる子供が経済活動に影響力を持てるのは2050~2060年で、諸問題は終盤に差し掛かっています。

2070年まで続くといっても、徐々に高齢者人口は減っていくからです。

この時までに出生数を急激に増やすと、借金が増えて自然解決が遠のきます。

それを払うのは子供達です。

 

自然な推移であれば、今生まれる子供達が50代になる頃には、人口数も理想的になって、かなり暮らしやすくなっているかもしれません。

今の価値観では、多子化は良いことのように感じますが、自分達の損得勘定によってそう感じているだけです。

 

そもそも年金問題は、平均より出生数の多い年代がいると起こりやすくなるので、多子化しても堂々巡りになります。

生活国土が限られていて、輸入依存の強い日本では、際限なく人口を増やせるわけではないので、人口数を増やす以外の解決方法が必要です。

 

人口数と幸福感

子供がいる世帯の貧困格差ランキング、日本は何位? | マイナビニュース

<ユニセフ調査>日本の「子供いる世帯」 所得格差が深刻 (毎日新聞) - Yahoo!ニュース

このランキングは世帯一人当たりのギャップなので、中央所得では600~800万円層が多いということになりますから、解釈に幅があるかなと思います。

これについては深く掘り下げるほどでもないので、ノルウェーとの比較をみたいと思います。

 

ノルウェー基礎データ | 外務省

ノルウェー王国(2014年、IMF)>>

■国土面積:38.6万平方キロメートル(日本とほぼ同じ)

■人口:520万5434人(2015年10月1日:ノルウェー中央統計局)

■首都人口:オスロ(454km²)56万8809人/総人口の11.8%

■首都人口密度:1400人/km²

■一人当たりGDP:9万6930ドル

■インフレ率:2.025%

失業率:3.53%

■一人当たり名目GNI順位:1位(98,860)

■1人当たりの電力消費量:23,174kWh

■総貿易額:(2013年、国連統計)

(1)輸出 153,257百万ドル
(2)輸入 90,065百万ドル
■主要貿易品目:(2013年、国連統計)

(1)輸出 原油・ガス・石油製品、水産物、アルミニウム
(2)輸入 乗用車、原油を除く石油、ニッケルの原料

■為替レート:1クローネ=13.23円(本日)

■幸福度ランキング:4位/158ヵ国

 

基礎的経済指標 | 日本の統計 - 日本 - 国・地域別に見る - ジェトロ

日本の主な輸出入品 | JFTC キッズサイト | JFTC - 一般社団法人日本貿易会

 

日本 >>

■国土面積:37・7万平方キロメートル
■人口:1億2692万人

■首都人口:東京(2191km²)1353万8017人/総人口の10%

■首都人口密度:6170人/km²

■一人当たりGDP:3万6221ドル

■インフレ率:0.75%

失業率:3.58%

■一人当たり名目GNI順位:5位

■1人当たりの電力消費量:7,823kWh

■総貿易額:

(1)輸出 690,190百万ドル
(2)輸入 812,343百万ドル

■主要貿易品目:

(1)輸出 自動車や自動車の部分品、鉄鋼、半導体電子部品、科学光学機器
(2)輸入 原油、LNG、衣類、半導体等電子部品、通信機、石油製品

■為替レート:1ドル=109.15円(本日)

■幸福度ランキング:46位/65ヵ国

 

日本のエネルギーのいま:抱える課題(METI/経済産業省)

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※エネルギー自給率

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※日本の一次エネルギー自給率の近年の推移

 

ノルウェーは原油産国で、裕福な国です。

原油は輸出資源であって、自国エネルギーは水力発電天然ガスで賄っています。

ノルウェー、石油産業の危機を宣言-金融危機はるかに上回る深刻度 - Bloomberg

資源輸出は単価次第なので、資源が豊富なら安泰かというと一概には言えませんが、ノルウェーがすぐさま厳しい状態に陥るとは思えません。

 

自然豊かなイメージに反して、ノルウェーはかなりの電力消費国です。

昨年仕事で北欧事業に関わりましたが、確かにハイテク先進国だと感じました。

国連報告「世界一のハイテク先進国はノルウェー」|WIRED.jp

日本も科学技術イノベーションに力を入れ始めていますが、まだ言及できる段階ではありません。

 

ノルウェーは、輸出/153,257百万ドルに対して、輸入/90,065百万ドル。

日本は、輸出/690,190百万ドル、輸入/812,343百万ドル。

 

大幅黒字のノルウェーと、大幅赤字の日本、謙著な違いは人口数です。

ノルウェーが輸出資源に恵まれているとはいえ、貿易規模は日本の方が遥かに大きく、貿易規模は幸福度に直接関係ないことが分かります。

重要なのは収支バランスで、それを崩すのは、輸入費を左右する人口数です。

 

人口減に不安感を抱く人もいますが、ノルウェーの人口はたった520万人です。

日本は1億2692万人もいます。

ノルウェーと日本の国土面積は同程度ですが、人口は日本の鎌倉時代より少ないです。

でもGDP等をみると大差ありません。

格差は小さく、幸福度は世界一で、日本の遥か上です。

 

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ノルウェーに限らず、犯罪率が低く、幸福度が高い地域には「人口数が少ない+人口密度が低い」という共通点があります。

世界一平和な国と言われているアイスランドは人口33万人、都市に集中していても人口密度は3人/km2です。

人口密度が低くても人口数が多いと治安が悪い傾向にあります。

 

平和指数が高い国の中で、カナダと日本は人口数が多いですが、カナダは人口密度が3.4人/km2なので、日本だけが異色です。

 

なぜ日本の平和指数が高いかというと、軍事力を米国に依存しているからです。

ICPO調査だと、10万人あたりの犯罪件数は日本1871人----人口が近いバングラディシュは12件、パキスタン46件、ブラジル409件で、ロシアでさえ792人です。

統計によって差はありますが、日本は重犯罪が少ないだけで(正確にカウントしていない)、犯罪自体の件数は少なくありません。

 

平和なのは小さな村社会で移住者の出入りが少ない国です。(観光客数は関係ない)

日本はまず人口数が多いので、村社会の要素だけを取り入れようとすると、経済力と生活水準が下がって幸福度は上がりません。

でも、経済規模が関係ないということは学べます。

 

経済規模が小さいと貧しくなるとか、近代化できないということもありません。

たとえ輸出が少なくても、人口数が少なければ、再分配量は増えることもありますし、輸入費を抑えられるので黒字化しやすいです。

 

むしろ、人口数が多いと思うようにいきません。

風力発電を行う場所ひとつとっても調整が難しく、温室効果ガスの削減は経済力を低下させて、途上国へ諸問題を押し付けるだけです。

人数が多いわけですから輸入費も膨らんで赤字になりやすく、労働者が多いので賃金も上がり難いです。

 

なぜ「少子高齢化」が必要なのか

少子高齢化」という危機が好まれる理由は沢山あって、立場によって違います。

行政の場合は、人口数が多いと税収が安定するため、人口を増やそうとします。

また「少子化対策」は汎用性の高い名目なので、消費税増税の大義にもなりますし、特定組織への助成金も作りやすいです。

 

現在の子持ち世帯は人口数の多い団塊ジュニア世代で、大きな票をもったノイジーマジョリティです。

子持ち世帯はかつての農家になっていて、主張もだいたい同じです。

国民もよこせと言うし、政治家も票稼ぎをしたいので、側面的には利害が一致します。

 

企業は、人口数が多い方が買手市場になるので労働力を安く確保できますし、薄利多売によって市場競争に晒され難くなります。

だから経団連や大手企業は労働移民を入れたがります。

 

なら良いじゃないかと思うかもしれませんが、恩恵の範囲が狭いんです。

企業が儲けるといっても恩恵を受けるのは上層階の一部だけで、全体ではデフレになるので、サラリーで働く人の多くは給与が上がりません。

子持ち世帯も目先の手当で側面的には得をしますが、自己負担率の増加や控除廃止などにより、トータルすると負担増になります。

 

多くの日本国民にとって人口数が多いことは損です。

「危機」が叫ばれる時は、それによって誰が得をするのか考えることで、本当はどんな負担が増えるのか想像しやすくなるかもしれません。