ノモア

no more, no less

交通事故と年齢はあまり関係がない

運転し続けたい - NHK クローズアップ現代

 

最近、高齢者関係や煙草を扱う記事へのコメントは辛辣なものが目立ちます。

でも、感情論で権利主張だけするというのは、欲望にのみ従って生きているということであり、繰り返しているとモンスター化してしまいます。

1つ1つ考慮の余地を持ちながら、論理的に考えて、人の道を踏み外さないようにしてほしいなと思います。

 

平成25年中の交通事故の発生状況

 

警視庁が発表している交通事故のまとめです。

これは毎年発表されています。

 

このまとめの、

「3 交通事故の状況と特徴」の「(2)運転者の年齢層別の状況と特徴」

を見ます。

 

16~29歳を若年層、65歳以上を高齢層として考えると、それぞれの事故件数は、

若年層「144,676件」、高齢層「104,243件」となります。

 

原付以上運転者 第1当事者 による交通事故件数を年齢層別にみると 40歳代 構成率18.1% が最も多く  、次いで30歳代(同18.0% 、高齢 ) 者(同17.5%)の順となっている。
増減数を前年と比較すると、高齢者を除く全ての年齢層で減少しており、中でも30歳代(前年比-10,234件、-8.7%)が最も減少している。

 

とありますが、10歳毎の区分に直すと、下記のような感じです。

20代が半分計算なので、PDFでは他年代の事故割合が高くなってしまいますが、総合すると若年層が起こす事故が多いです。

 

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運転免許統計(平成25年版)補足資料1-警視庁

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人 口 推 計

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事故件数は、平成15年前後まで増え続けていて、現在は減少傾向にあります。

しかし、重要なのは、年齢の推移です。

 

現65歳以上が50代だった平成15年度をみると、50~59歳は15万件です。

その10年前の平成5年をみると、40~49歳は13万件、昭和60年の30~39歳は12.5万件くらいです。

 

事故数が少なかった世代をみても、平成5年の30代は11万件ほど。

10年後の平成15年は、40代13万件、その10年後の平成25年は、50代8万件です。

 

平成15年に50代だった人達と平成25年に50代だった人達を比べると、後者は事故数が半分くらいしかないのです。

 

これが何を物語っているかというと、基本的に、年齢が上がると事故数は減少する傾向にあるということと、事故数は年齢ではなく自動車の所有率で変わるということです。

 

上で書いた平成5年の30代は、40代になってやや上がっていますが、20代だった昭和60年あたりでは22万件くらいですから、30代になった時点でかなり下がっています。

若年層は事故を起こしやすいと解釈するのが自然です。

 

NHKの記事は、その中で、高齢層の事故について指摘していますが、逆引きでは、

平成25年度 65歳以上「104,243件」

平成15年度 50~59歳「154,470件」

平成5年度は40~49歳はおそらく13万件くらいで、

昭和60年の30~39歳も13万件くらい、

昭和50年の若年層は23万件くらいですから、

「高齢になると事故が増える」といったニュアンスで伝えるのは正確性に欠けます。

 

事故数は自動車やバイク等の所有率に比例していて、若年層以外では、年齢はあまり関係がありません。

 

事故数に増減がある時は、若者を筆頭に変動します。

現在、高齢者の事故発生件数が増えているのは、自動車の所有率が高い世代が高齢層になったからで、高齢者だから事故を起こしやすいということでないと思います。

 

この統計から何かを感じとるとしたら、若年層が運転をしなくなったということではないかと思います。

 

ウ 年齢別、男女別運転免許保有者数の前年比較

(10) 原付以上運転者(第1当事者)の年齢層別

を見ても、免許所有者の推移と事故数の推移は似ています。

 

年齢で区切るとか、定期的な能力テストを行う、という提案がありますよね。

しかし、推移データをみる限り、高齢者が運転に自信を持っているのも、あながち間違いではありません。

 

高齢者運転の問題は、他の突発的な病気と問題は同じなので、自動車の必要性が高い高齢者だけに規制をかけても、激的に解決しないばかりか、生き難い世の中になってしまいます。

 

テストは判断の目安や最終的な区切りとしてあっていいと思いますが、免許返納を呼びかけるほど高齢者の事故数が多いわけではないので、まずは道路環境の改善が必要だと思います。

 

道路事情

運転者や地方観光をする方は分かると思いますが、日本はまだまだ田舎国家です。

少し前に都心部に近い菖蒲園にいきましたが、水洗トイレさえありませんでした。

首都圏でさえ、昭和で時間が止まってしまっているような場所が多々あります。

 

割れた道路、蓋のない下水路、ガードレールのない田畑沿いの道、カーブミラーのない山道、外灯が1本もない道、とても道路環境が良いとは言い難いです。

 

ある山道は、それなりに往来があるのですが、ほとんど整備されておらず、普通自動車1台分が通れるほどの道幅しかありません。

細かい急カーブが多いのに、外灯がないため、夜になると真っ暗です。

道から少しでもはみ出れば山を転げ落ちてしまうのに、ガードレールもなし。

 

かなりスリリングですが、更に困るのは、一通ではないことです。

1台分の道幅ですから、前から車がきたらアウトです。

ですから、早く山を通り抜けようと、みんな加速します。

 

いつも通る度に危険を感じていたので、どこだったか忘れましたが、その山道を管理している役所か何かへ電話をかけたことがあります。

 

しかし、何を聞いても、「当時の規定にそって道を作りました」という返答一択。

 

電話で答えて下さった方は申し訳なさそうに話をしていましたから、責める気にはなりませんでしたが、何気に事故は起こっているようで、それでも変わらないのだから変わらないんだろうなと思いました。

 

右折するのに交差点中央まで出ていくとか、歩行者と同じ進行方向の信号が青色になるとか、信号機のない一時停止線、一通標識が不明瞭な道、優先が分かり難い道、明確なルールの無い合流、夜になると見えにくくなる白線区分など、問題のある交通ルールも少なくありません。

むしろ、よく事故がこの程度で済んでいるなと思うくらいです。

 

交通事故を減らすには、道路環境を根本的に見直さないといけない部分があります。

その上で、ルールはシンプルかつ明瞭にする必要があると思います。