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ノモア

no more, no less

企業タイプ別、会社と労働者の関係

会社の種類

企業は、大きく3種類のタイプに分けることができると思います。

 

1つは、「小さな国」タイプです。

大手企業がこれです。

国を細分化した単位が地域、地域を細分化した単位が企業、といった場合の「企業」にあたる存在で、存在するだけである程度の功利を生みます。

民間企業ではありますが、大手企業は国債などを買ってくれていますし、実際、社会インフラとしての要素が強いです。

だから、救済に国費が投入されたり、免税優遇などが行われます。

 

そのぶん、コンプライアンスを厳守しなくてはいけません。

従業員も公務員に近い存在であり、権利が守られる一方で、厳格なルールが課せられます。

 

「小さな国」タイプでは、従業員は所属する会社の仕事をする作業員です。

従業員は、あくまでも会社の業務担当者ですから、会社からの命令は絶対です。

会社が求めるノルマをこなすために雇われているからです。

 

もう1つは、「エージェント」タイプです。

こちらのタイプには2通りあります。

1つは、「株主の代理」タイプです。

米国などにみる株主主義の株式では、経営者も労働者も株主の利益を生むための存在なので、配当が重視されます。

 

もう1つは、「窓口」タイプです。

タレント事務所や派遣などが含まれると思います。

労働者が働いて得た成果は労働者のものであり、本来、労働者は大きな裁量を持っています。

その労働者が支払う手数料・仲介料・使用料などがエージェント会社の利益になりますが、看板としての役割が強いので、著名人には必須な存在ではなく、企業でなくてもやっていけます。

 

そして、二つを合わせた「ハイブリッド」タイプ。

歩合制や裁量労働制などを取り入れているベンチャー企業等がこれに当ります。

「基本給や福利厚生によって最低限の保障+能力給」

という形をとっている会社が多いので、キチンと活用されるのであれば、雇用主と労働者の双方にとってメリットがあります。

たとえば、裁量労働制を採用しているIT系企業では、基本給の不足分を役職手当で調整していたりします。

 

日本の現状

日本の会社法は「小さな国」タイプを念頭に作られています。

そのため、完全な「エージェント」タイプは少数派です。

リスクと成長を考えるベンチャー企業では、「ハイブリッド」タイプを選択することが多くなるのではないかと思います。

 

ブラック企業」というのは、ベースにしている企業タイプと、運用段階で使われている企業タイプが異なる企業のことです。

 

「小さな国」タイプの場合、従業員の裁量は小さいですが、代わりに、ある程度の保障があります。

 だからこそ、経営不振や大規模リストラの経営者責任は重いです。

 

「エージャント」タイプの場合、保障は薄いですが、労働者は大きな裁量を持っています。

基本的に、会社が一方的にノルマなどを強制できません。

業務内容については、個別契約が必要になります。

 

一番問題化しやすいのは、「ハイブリッド」タイプです。

どちらのタイプでも問題は生まれますが、多くの場合、問題の本質は「機会の不平等により、自分にあった企業タイプを選択できていない」ことであり、企業と労働者のマッチングが上手くいっていないのです。

ですから、客観的にみればトラブルを相殺できるだけのメリットが存在します。

 

しかし、「ハイブリッド」タイプは混合型であるため、ルールが曖昧です。

ルールを作る立場にある経営者の要望が通りやすく、労働者は、裁量を与えられないまま保障も得られないという、奴隷的な立場に追いやられてしまうことがあります。

 

タイプ別の処方を

経営者も労働者も、都合の良い部分をとって権利主張をしますし、部外者も混合して語っているケースが少なくありません。

でも、それぞれのタイプで主張できることは違いますし、改善策も違ってきます。

 

「小さな国」タイプで、会社は社員のものだ!なんて主張しても、自分の首を絞めるだけです。

「エージャント」タイプに最低賃金の話をしても、キョトンとされて終わりです。

「ハイブリッド」タイプは、本来は既型の欠点を改善するための亜種ですから、社会通念なんて通用しません。

 

「小さな国」タイプにはストックオプション、「エージェント」タイプには専門協会、「ハイブリッド」タイプには厳罰化、といった風に、タイプに合わせた処方が必要になってくると思います。