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ノモア

no more, no less

極楽とんぼ・山本さんの事件概要


強姦で被害届を出された芸人さんの復帰が怖いという気持ち - ある日の日報

 

厳しい意見が多いですが、話題性もあって情報が錯綜した事件なので、事件の概要自体を知らない人も多いように感じました。

一応まとめておきます。

 

山本さんは、2002年に学園祭で局部を露出して送検され、翌年に、交際していたホステスに中絶を強制して問題になりました。

当時、山本さんは「山本軍団」という大きな派閥を持っていて、普段から素行の悪さを指摘されていました。

事務所から忠告を受けていたようで、番組内でも「ツーアウトで後がない」などとネタにしていました。

 

しかし、2006年に淫行事件を起こしました。

被害女性は17歳の未成年で、被害届が出されました。

 

この事件は話題になり、週刊誌やスポーツ新聞で様々なゴシップ記事が出ました。

デリヘル説、援助交際説、美人局説など。

内容はバラバラで信憑性に欠けるものでしたが、被害少女がギャル系であったことからか、その多くは少女を責める内容でした。

「夜中にフラフラしてナンパについていく方も悪い」など、未成年者に自己責任を課す内容も目立ちました。

 

いわゆるセカンドレイプが起こったのですが、最終的に示談で不起訴となったことから、「最初から金目当てだった」と論調は悪化しました。

彼女達がある種のネタとして消費されていく一方で、「山本は被害者だ!」という擁護論も高まっていきました。

 

その際に事件の概要がだいぶ変えられてしまったので、当時読んだ一般紙ニュースや当事者の供述から事件をさらいます。

 

7月16日、萩本GG(社会人野球チーム)の試合のため、山本さん達は函館市内に滞在していました。

山本さんの指示により、元オリックス・藤本選手と萩本GGの選手2人が少女4人をナンパし、男性陣が宿泊していたホテルで飲むことになりました。

 

そのうち男女2人ずつ(4人)が帰り、17歳のA子さんと、B子さん18歳、山本さんと藤本さんの4人がホテルに残りました。

この時点で、男女2対2の状態になっていました。

 

山本さんたちは少女らにお酒を飲まし、「ふたりきりで話すため」という理由で、あみだクジでカップルを決め、それぞれの部屋に分かれました。

 

当初、A子さんは藤本選手と同室になりましたが、性行為を求められたので、山本さんたちのいる部屋へ逃げました。

ところが、そこでも山本さんに性行為を求められることとなり、A子さんは抵抗しましたが、強姦されてしまったとのことです。

 

同じく、B子さんも藤本選手に性行為を強要されましたが、被害届までは出されませんでした。

 

少女らが年齢を「18歳」だと偽っていたとする記事もありますが、全員本当の年齢を言っていたそうです。

また、もし偽っていても、未成年者に飲酒をすすめるのは問題です。

山本さんはこの件につて、「酔っていて覚えていない」と曖昧な供述していたとのことです。

 

帰宅したA子さんが友達に相談したところ、被害届を出した方が良いとすすめられので、「酒を飲まされて強姦された」と警察へ婦女暴行の被害届を出しました。

 

山本さんと笑顔で別れた、親や彼氏が金欲しさに被害届を出させた、というのは誤報です。

 

山本さんはこの強姦について、「ゲーム感覚で、合意だった」と淫行を認めましたが、少女らは合意性について否定しています。

 

山本さんは書類送検されましたが、A子さんの代理人と「示談」が成立し、不起訴処分になりました。

 

事件の全容はこんな感じです。

 

端的にいうと、山本さんの行為には犯罪性がありました。

山本さん自身も未成年者との淫行は認めているので、未成年者やその親が訴えている以上、行為に犯罪性はあった、というのが基軸になります。

ただし、少女らが年齢を詐称していた場合は、嫌疑不十分等により不起訴となることもあります。

でも本件は「示談」による不起訴なので、山本さんも犯罪性を認めた上で和解しているということですから、この時点で「無罪」はありません。

 

無罪無実の人を犯罪者と言うのは問題ですが、山本さんには犯罪事実があります。

示談であるため、この件では前科がついていないというだけです。

 

ロンブー淳さん等から山本さんの復帰を望む声が聞かれますが、ロンブー淳さん、ペナルティ、ココリコ遠藤さんなどは、「山本軍団」のメンバーとして有名でした。

 

山本さんは度々問題を起こしており、自称ロリコンとしても有名でした。

当時から、本件についても氷山の一角ではないかと疑われていました。

 

ロンブー淳さんや"お仲間"は「十分に(社会的な)罰を受けた」と言います。

しかし、山本さんが受けた罰らしい罰は解雇と、発生したなら示談金くらいです。

その後に開業しているので、罰といえるのは解雇くらいでしょう。

事件後は、不運の倒産を除いても、店を潰したり、仕事を転々としており、女性との性的交友も控えていたという話はありませんでした。

 

確かに年月は経っていますが、公的機関での更生機会も失っていますし、寺での修行も逃げ出したという話も出ていましたよね。

生きてさえいえば年月は経つので、それをもって更生の有無を判断するのは難しいと思います。

 

被害者の傷が癒えて始めて事件は終わる

冒頭のブログの恐怖感は理解できます。

「社会復帰は良いが、芸人復帰は抵抗がある」という指摘にも妥当性を感じます。

一般職で社会復帰するのと、芸能活動を再開するのは、雲泥の差があります。

 

私はお笑いが好きで、ライブもラジオも含め接触機会が多いですが、男性芸人で下ネタを1回も言ったことがない人なんて、パッとは思いつきません。

いたとしても、かなり希少だと思います。

復帰すれば下世話な話題にも付き合う場面はあるでしょうし、発言はかなり慎重でなければいけないと思います。

「やったもん勝ち」という存在メッセージになってしまうと怖いですからね。

 

被害者が観ないという選択肢はありますが、芸能活動を認めれば、CMやジングルカット、広告やポスター、雑誌やネット広告などにも出てくる可能性もありますから、全てを回避しようと思ったら、全てのメディアに触れられなくなります。

それを被害者側に強いるのが正義だとも思えません。

 

少なからず、この立場からすれば、山本さんを容認する理由がありません。

誰かしら傷つくのなら、山本さんが背負うべき痛みではないかと思います。

 

「性犯罪被害者は冤罪含む性犯罪者を傷つけている」

 

増田で「性犯罪者」を擁護する主張がありました。

でも、刑罰は懲罰であり、懲罰は反省機会です。

反省機会と「償い」は違います。

被害者の傷が癒えて始めて事件は解決します。

また、その後の人生をどう生きていくかで更生が問われます。

懲罰を受けることで、罪がなかった状態に戻るわけではありませんし、示談でもそれは同じです。

 

犯罪者の社会復帰を許さないなら死刑にするしかなくなりますが、そこまでの重罪でないなら、社会復帰の道は閉ざさない方が良いだろうと思います。

でも、罰だけで更生が完了するわけでもありません。

 

冒頭ブログの女性は、おそらく山本さんに何かされたわけではないでしょう。

でも、社会の構成員として山本さんの更生を解釈する立場にはあります。

 

「当事者間の問題だ」という人もいますが、刑事事件は違います。

もしそこに社会が関与しないのであれば、法律や司法(みんなで守るルール)の存在意義も、「罰を受けたんだからもういいだろう」という主張の正当性も揺らぎます。

 

なぜなら、罰は間接的に社会が与えているものだからです。

その区切りをもって浄化主張するのであれば、そこに更生を判断する社会の目も含まれていることを受け止めなければいけません。

 

実際、判決の中で「社会的制裁」を考慮して減刑されることがあります。

大なり小なり考慮されていて、刑事罰を受けるだけでは償いが完結しないことを意味しています。

 

それと同時に、刑事罰私刑の抑制としても機能しています。

皆が好き勝手な方法でいつまでも罰を与え続けると、犯した罪よりも重い制裁を受けてしまう可能性があるため、司法や国が代表して罪の重さと罰を決めて執行します。

国民は司法や警察の行為を行えないので、「刑期を終えたら、それ以上は罰を与えてはいけません」という解釈は成り立ちます。

 

ただし、先にも書いたように、刑期間や罰金額を、罪の償いや更生性として置き換えることはできません。

懲罰は最低限のペナルティノルマであり、反省の機会なので、被害者や社会に対する贖罪はその先にあります。

 

罪の償いには、2つの要素が必要です。

1つは、「更生したことを認められること」

2つめは「被害者や社会の傷が癒えること」

 

山本さんの場合は示談なので、公式な更生機会を失っています。

その場合、より厳しく自分を律して社会貢献に努めなければいけません。

 

山本さんは、被害者に対する心情を考慮してもなお芸能職に就く必要性を説明しないといけません。

その説明が更生性の判断材料の1つになるからです。

 

懲罰後の「更生したかどうか」は被害者と社会が判断します。

その判断は罰を与えるものでもなければ、差別でもありません。

いま山本さんが問われているのは更生したかどうかです。

 

犯罪者の社会復帰も大事な問題ですが、被害者の恐怖心などは一生続きます。

犯罪者は一定期間の反省で済むのに、被害者は一生苦しむって不平等ですね。

万が一同程度の重荷を背負っていたとしても、加害者と被害者には、立場的な差が永遠に付き纏います。

 

それほど重大だからこそ、罪を犯してはいけないわけです。

特に性犯罪については、貧困者が万引きするのとは違って、犯罪者とならない選択肢が十分に存在しています。

 

山本さんの場合も、その日に会ったばかりの10代の女の子にお酒を飲ませ、性行為に至るということをしなければ、淫行事件は起こりませんでした。

ちなみに、相手が未成年者でなくても、泥酔させた上で性行為を行った場合、被害届が出されると性犯罪として成立します。

 

「17歳と18歳の差って何だよ」と憤る人もいますが、その認識は逆です。

そこには明確な差なんてありません、便宜的な線引きです。

だからこそ、10代の女の子をナンパして性行為することが倫理に触れるのです。

17歳でも18歳でもダメ、と認識しておくべきです。

もっといえば、相手が何歳であっても、十分な判断時間や状況を与えて、確実な合意性がなければ行為に及んではいけません。

 

逆を言えば、未成熟な若者であっても、十分な判断時間をもって意思決定した場合、親の許可などを得て自由恋愛するのは違法ではありません。

 

そういうと、「判断力なんて年齢に関係ないだろ」という人もいますが、割合での区切りは必要です。

10歳の子供でも自活できる能力を持っている子はいるかもしれませんが、全体でみると少数であり、やはり扶養義務は必要です。

それと同じで、割合による区切りは必要なんです。

 

社会経験の浅い未成年者は、経験豊富な大人よりも判断力が未成熟です。

たとえ大人に未成熟な人がいたとしても、未成年者が成熟するわけではないので、未成年者への保護の必要性は変わりません。

 

たぶん、そこまで厳格に償いや更生を捉えている人は多くないと思います。

もっと気軽に犯罪を行って、何となく時効を迎えているのが現実です。

中には、加害者でありながら、逆ギレや権利主張を優先させる人もいます。

 

ただ、多くの被害者は償いや更生の必要性を知っています。

その差は、加害者であるか、被害者であるか、です。

 

極楽とんぼ

山本さんの復帰には興味がありませんし、なぜ裏方復帰でないの?とは思います。

そう考えると、芸能界の師弟関係などによる内部事情と、単に才能がないだけなのかなって思ったりします。

 

もう極楽とんぼの芸風を知らない人達もいると思いますが、漫才やトーク力で人気者になった人達ではありません。

油まみれになって風俗プレイの真似をしたり、相方の加藤さんとただ喧嘩をするという「喧嘩芸」が主で、わりと純粋な肉体芸でした。

特に山本さんは殆どが下ネタで、どちらかというと、ややスベり芸でした。

 

彼らが一部に人気を得たのは、たけし軍団とかとんねるずのような、「下世話でハチャメチャな感じ」であったからです。

 

TV復帰までは遠いだろうとも言われていますが、吉本興業だしなぁという不安は拭いきれません。

こういう時、吉本芸人は必ず「美談」や「お情け頂戴」で世論を動かして、なし崩し的に自分の番組にねじ込んできます。

伝統商法ですから、おそらく今回も同じです。

いま山本さんが話題に上がったので、たぶん畳み掛けてくると思います。

 

こういう流れって、いま世間が話題にしているような、性犯罪云々なんて論理とは関係のないものではないかと思います。

もっと身内的で、業界政治的な要因によるものだろうと思います。

山本さんの復活に意味や大義なんて無いと思いますし、復帰を望まれるほどのスキルを持った芸人でもありませんでした。

 

山本さんの芸風を考えても、復帰を望むのはフェミアンチ層です。

ケンコバさん支持層にも近いかもしれませんが、その場合、女性被害者の声は叩かれやすい状況に置かれます。

 

言論の自由」について、多くの男性は男性の自由権利についてしか興味がありません。

たまに女性でも擁護されている人がいますが、性に纏わるものが多く、結果として男性にとって得だから擁護しているに過ぎません。

 

たとえば女性が折衝案を出しても、大抵の場合、男性はそれを受け入れません。

冒頭のブログにある「社会復帰は良いけど芸能活動には抵抗がある」というのは、ある種の折衝案ですが、やはりそんな風に譲歩しても認めてはもらえません。

 

なかには中立的な意見を持つ男性もいますが、残念ながら少数派です。

男性に1%でも不利な要望を出せば、バッシングを受けます。

それは、性犯罪と冤罪の問題でも同じです。

 

被害者にできることは、心情を発信したり、ソフトな抗議を行うことくらいです。

叩かれようが、世間やTV局の上層部、倫理委員会などに、積極的に心情を発信していく方が良いです。

発信しなければ、無いことにされてしまうからです。

利害が違う相手に対して、無垢な期待は持たない方が良いです。