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森友学園と安倍夫妻

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契約書や偽証の件とは別に、安倍夫妻が「不正な土地取引」に関与しているのではないかという疑惑がありますが、安倍総理については、籠池さんが「安倍総理の口利きはない」と言っているので無いと思います。

昭恵さんについては、時系列をみると分かるので、私なりにまとめてみたいと思います。

 

土地の価格

森友学園へ売却された土地の価格は、最終的な購入額の1.3億円が注目されていますが、土地の評価額は9.5億円です。

土地の値段は最後まで値引きされていません。

 

最初は「10年間の定期借地契約」と「8年目途の売買予約契約」を行っています。

10年間は土地を賃料2730万円/年で貸して、その期間中に時価で売る契約です。

時価というは、撤去費用などを差し引いた金額のことです。

 

森友学園の購入地では、2回埋設物等(ゴミや有害物質)が見つかっていて、第一期は1億3175万円、第二期は8億2200万円の撤去費用が補助金として支払われることになりました。

この補助金は、行政から森友学園を介して作業業者に支払われる撤去作業費です。

 

最終的には、評価額9.5億円から第二期の撤去費用が差し引かれ、売却額は1億3400万円になりました。

その際、先の2つの契約を「買取契約」に切り替え、購入額は一括払いではなく利1%10年間の分割払いということにしました。

過去3年間について小学校に対してこの分割契約は行っていませんが、規定上は問題なく、一般的に行われている契約方法です。

 

隣地との比較 

大体の金額ですが、近隣地との比較を簡易表にしてみました。

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辻元問題で維新vs民進が国会“大乱闘” 第2の森友か、大阪国有地が14億円→2000万円の怪しい取引:イザ!

民進党玉木雄一郎さんは、3/29衆院・国交委員会で、

野田中央公園の方は、購入費自体に補助金等が入ったので、土地の価格は14億円のままだ。森友学園の購入地は、撤去費用を値引きして、土地の価格を1.3億円に下げて売った」

と言っていました。

だから野田中央公園の取引は問題がないけど、森友学園の取引は問題があるという理屈ですが、この主張には2つ大きな勘違い?があります。

 

1つは、どこからどうお金が出ようが原資は税金だという点です。

市が購入する時は、購入費に対する補助金交付金が出るので、撤去費という名目は不要でしたが、森友学園など民間は撤去費としてそのまま相殺するしかありません。

補助金の名目が違うだけで、結局は同じことをしていますから、この理屈は野田中央公園の取引(民主党関与)を擁護するものだと思います。

 

日本維新の会足立康史さんは、むしろ野田中央公園への14億円の方が問題だと指摘しています。

国交省から「住宅市街地総合整備事業補助金」7億1000万円、内閣府から「地域活性化公共投資臨時交付金」6億9000万円が、それぞれに最大予算付け可能だったので、その額から逆算して撤去費用を14億円と設定したのではないかということです。

もしそれが本当だとすると、業者への支払い額ではないので、浮いたお金はどこに行ったのかということになります。

 

2つ目は、森友学園の土地も撤去費用が相殺されているだけで、土地の価格を下げたわけではないことです。

玉木議員は「野田中央公園の取引と森友学園の取引は全く性質が違う」と言っていますが、同じです。

 

買取契約への切り替え

第二期の埋設物等は契約後に見つかったものなので、行政が撤去を行ってから売却することはできませんでしたが、日程的にも難しかっただろうと思います。

 

第一期(地下3M)の埋設物等は1800tほどでしたが、撤去に数ヶ月かかっています。

第二期(3.8~9.9M)の埋設物等は1.9万tといわれています。

3.8Mあたりまでを主な対象としても、それなりに時間と費用がかかります。

 

第二期の埋設物等が見つかったのは2015年8月です。

財務局などが視察を行っていますが、籠池さんが知ったのは更に広域から埋設物等が見つかった2016年3月だと言っています。

撤去を行ってから上物を調整しますから、開校予定の2017年4月に間に合うか微妙なところです。

 

開校日の延期は契約内容に影響します。

契約書を作り直したり、業者を選定する手間を増やしても、行政の収支がさほど変わらないなら、普通は既に工事を行っている森友学園を介して撤去作業を委託します。

 

また、借地契約の中で再度予算付けを行うと、この支払いが2018年(平成30年)になってしまう可能性があるので、やはり開校時期に影響します。

買い取りなら業者に支払いをしながら工事を進められるので、この時点で買取契約に切り替えたのは不自然ではないと思います。

 

×「森友学園に200万円で売ったのはおかしい」

200万円というのは、最終的な売却額の1億3400万円から、第一期の撤去費用である1億3175万円を引いた概算だと思いますが、この撤去費は森友学園が立て替えたものなので、購入額から差し引くことはできません。

行政が借りたお金を返しただけなので、相殺されて損得なしです。

 

行政側の利益は結果的に200万円になりましたが、森友学園が200万円で購入したわけではありません。

森友学園は9.5億円の土地を買い、その支払額が撤去費用と相殺されて1.3億円になったというだけです。

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また、玉木議員は「そもそもゴミを撤去する必要があったのか。その費用を行政が支払う必要があったのか」と言っていましたが、契約上そうなっているので必要です。

給食センターの方では14億円の撤去費用を出しているのに、なぜ森友学園には自費でやらせろというのか、根拠を説明しないと不公平です。

 

×「大阪音大に売らなかったのはおかしい」

音大の希望購入額は7億円、森友学園との契約額は9.5億円です。

財務局は9億円以上での売却を考えていたので、音大には売らず、森友学園に売っても何ら不思議ではありません。

 

また、この段階での撤去費用は第一期の1.3億円ですが、これについて音大は2.5億円を見積もっていたので、音大に売った方が撤去費用が高くついていました。

 

更に、第二期の埋設物等は、音大との交渉決裂(2012年7月)からだいぶ経った2015年8月~2016年3月に新たに出てきたものなので、音大に売っていても8億円の補助金は必要になりました。

 

森友学園に売ったことで、行政側は1億3400万円で土地を売ることができて、僅かながらも200万円のプラスになりましたが、音大に売っていたら2億円以上のマイナスになって大損していました。

この二者で比較するなら、森友学園に売って正解でした。

 

△「8億円の撤去費用は高すぎる」

隣地の野田中央公園給食センターでも埋設物等は見つかっていますが、給食センターでの撤去費用は14億円(掘削2M)です。

比較しても8億円(掘削3M)は異常な額ではないと思います。

 

森友学園への売却地に埋設物等はあったのかというと、あったようです。

「本当にそんなに沢山のゴミがあったのか?」と訝しむ声もありますが、それは他の公共事業でも同じですし、一般的にも見積もりは概算で詰めていくものですよね。

とりあえず敷地全てを掘ってから見積もりましょう、なんてことをすればもっと費用がかかります。

埋設物等が発見されなくても、掘削作業費は必要になってしまうからです。

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ざっくり図ですが、赤い部分が埋設物等があるとされる掘削対象エリアです。

 

建物を含む6割が沼沢地(池の深さ3.8M)で、不法投棄などがされていたようです。

深層分からも見つかっていますが、運動場の方は一部のみが掘削対象です。

これを全て撤去対象とすれば9.5億円以上はかかるという見込みでしたが、土地の価格を上回る取引はできないということで、

●掘削を(3.8Mの内)3Mまで ●運動場は対象外

●汚染土も運動場の端に埋めて処理する

として、撤去費用を8億円まで業者に抑えてもらいました。

 

撤去費用が土地価格を上回ることはあると思うので、なぜ取引できない契約になっているのか分かりませんが、第二期の撤去費用8億円はかなり安くなった額です。

 

この8億円の内、いま実際に幾らが撤去費にあてられたのかは分かりません。

でも、場内処理した埋設物等(3.5億円分)にもいずれ撤去費用がかかります。

森友学園の負担になるので、森友学園側の実質支出は、購入費1.3億円+撤去費3.5億円で、約5億円くらいになります。

いま全額を撤去費用に充てていなかったとしても、最終的には相殺されるくらいの額ではないかと思います。

 

評価額自体が高めに設定されているようなので、あえていうなら、籠池さんの方がやや損をしていると思いますが、隣地の売買取引と比べればという話で、事業を行うのに投資ゼロということはないので、特に損得で語る部分ではないのかなと思います。

 

△「評価額9.5億円に疑問がある」

森友学園が購入した土地は、本当はもっと安いだろうと言われています。

須田慎一郎さんは、これについて「補助金で購入額を下げても、固定資産税に関わる評価額は下げたくなかったのだろう。森友学園はだいぶ損をした」と推理していますが、学校の土地は非課税です。

私立学校関係税制により、学校法人税(19%)も普通法人税(23.9%)より低いです。

 

通常なら、評価額は撤去費用の見積もり前に出ている金額です。

後に出る補助金額を踏まえて設定することはできないと思いますが、今回は行政側が撤去費用の値引き交渉を行っています。

感覚的にはもう1~2億円安くても良い気がしますが、細かい数字は土地を査定しないと分からないだろうなと思います。

ただ土地の評価額は、近隣地の単価に影響を与えます。

騒音対策区域ですからそれほどでもないとは思いますが、小学校は保育園や幼稚園の何倍も騒音が出ます。

建設反対の運動が起ると行政側の支出は跳ね上がるので、もしそういった対策費込みで住民反対が起こらない程度の価格設定を行っていたのだとしたら、評価額だけとって判断できないと思います。

 

×「谷さんの問い合わせは圧力だ」

「ゼロ回答」という表現が適当かどうか分かりませんが、谷さんからのFAX(2015年11月/平成27年)は、確認事項への回答を伝言したものだと思います。

 

籠池さんの要望は、

「借地期間を10年から50年にしてほしい」「評価額を半額にしてほしい」「平成27年補助金を払ってほしい」

の3つですが、このうち前者の2つについて、

「最終的に分割払いの契約になり、月100万円の返済で済むようになった」ので、

「結果的に"50年"・"半額"の希望(支出を抑えたい)が叶っているようなものだ」、

だから「満額回答ではないか」

と指摘されていますが、こじ付けだと思います。

契約上問題がないので、要望が通ったからといって不正取引や違法口利きということにはなりませんが、先にも説明した通り、買取契約の流れも分割契約も不自然ではありません。

 

主に問題視されているのは、最後の「平成28年度の予算付け」の部分だと思いますが、こちらも時系列でみればわかります。

この時に予算付けされた補助金は第一期の撤去費用ですが、第一期の撤去作業は2015年7月~12月に行われていたので、FAX回答した頃は作業も終盤です。

時期を考えると、「年内に作業は終わりそうだけど支払いは何時になるのか」という確認への回答を伝言しているに過ぎないと思います。

この撤去費用は森友学園が立て替えているものなので、早く払ってほしい気持ちも分かります。

 

それが実際どうなったかですが、2016年4月(平成28年)に支払われました。

工事日程は2015年3月1日~2016年3月31日だったので、結局は前倒しされず、契約通り工事終了後に支払われたということです。

 

貸付契約を行ったのが2015年なので、その年に直ぐ予算付けは難しいという判断がされたようです。

理由になっているのか分かりませんが。

 

民進党共産党の議員らは、「2015年末に要請があって、2016年直ぐに支払われた!」と強い口調で責めたてていますが、要請が2015年末になったのは、作業が12月で終わるからで、2016年4月に補助金が支払われたのは、3月末で工事が終了したからです。

工事終了時に清算するのは何も問題ありません。

 

上記を踏まえると、FAXは単なる伝言ですから、谷さんや昭恵さんはこの件について不正な関与はしていないだろうと思います。

 

△「行政が便宜をはかりすぎだ」

全国の公共事業と比較すれば特例尽くしというわけではせん。 

たとえば、保育園は社会福祉法人が多く運営していますが、基本的には土地を持っていることが前提であるものの、随意契約による国有地の直接貸付も行っています。

しかも公益法人の場合、非課税の上、土地取得にも優遇措置があり、修繕費や運営費なども助成金補助金が沢山投入されるので、本件どころの額ではありません。 

異例というのは、あくまで市内や小学校という範囲に絞った場合です。

 

ただ便宜自体については、もう一歩踏み込んで考えてみた方が良いと思います。

 

玉木議員は野田中央公園の取引を擁護していますが、それこそが問題です。 

税金を後ろ盾に事業を行う行政や既得権益と民間企業が競合すれば、民間はとても不利な立場に置かれます。

民間参入を促すには、従来の公共事業に与えられている特権に対抗する便宜が必要になります。

 

「まったく疑念の余地がない取引」を行うには、厳格な規定を設けるしかありませんが、参入障壁になります。

細かく厳しく設定するほど既得権益や特権階級しか参画できなくなり、行政との癒着も起こりやすくなります。

それが天下り問題です。

 

これまでの"お役所仕事"だけでは上手くいかないから、随所で規制緩和を行っているところで、今回はその規制緩和にあたる部分が問題視されています。

ざっくりと全体批判するのではなく、認める部分と改善を求める部分を整理して議論していった方が良いのではないかと思います。

 

たとえば私は、金額を非公開にしたり、評価額で帳尻あわせするのは良くないと思いますが、認可要件の土地取得で同時進行手続きの便宜をはかるくらいは良いのではないかと思います。

そこは他の学校や保育園なら文句が出ない部分だろうと思うからです。

 

異例、特例といわれますが、逆をいえばこれ1件だけということですから、国内における公共事業の規模を考えれば、国会で扱うほどの問題ではない気もします。

日毎何億円という経費がかかりますから、せめて「不正の証拠」くらいないと、気になった人から次々に証人喚問するのでは政治が滞りますしね。

追求は別枠で出来るので、国会でしか行えない審議を優先した方が良いと思います。

 

△「昭恵さんは100万円の寄附を渡した」

東京新聞:「100万円を口座に入金」 森友問題 籠池氏の長男証言:社会(TOKYO Web)

【森友学園問題】自民党籠池氏虚偽暴露会見詳報(1)西村康稔総裁特別補佐「100万円の『安倍晋三』振込用紙、郵便局に持って行ったのは職員でなく籠池氏妻では」(1/5ページ) - 産経ニュース

話がちょこちょこ変わるので分かりませんが、学園職員が籠池夫人の書いた【払込取扱票】の依頼人欄<森友学園>を無視して依頼人を変えてしまうというのは考えにくいと思います。

フジの鑑定を信じて籠池夫人が手続を行ったと考えると、そういった諸々の違和感はなくなる気がします。

その場合は、依頼人欄が空白の【受領書】がほしかったのかなと思いますが、これが全て本当だとしても、籠池さんらから「安倍夫妻からいただいたもの」と聞いていた学園職員が記載ミスをした記録でしかないので、「金銭の受け渡し」の証拠にはならないだろうと思います。

 

いずれにせよ渡したかどうかまでは分かりません。

私は、渡した可能性はあると思っています。

受け取っているから、交渉材料になると考えて暴露したのではないかと思います。

 

でも籠池さんは「ウソはよくないが、安倍総理の辞任は望んでいない」と言っていますし、寄附自体も違法ではありません。

不正らしきものもなく、口利きも行っていないなら、安倍総理の発言について厳しく追求する背景がないので、あとは当事者同士の問題かなと思います。 

森友学園の教育理念やそれに対する安倍夫妻の考えについては、個別の問題になると思います。