ひろゆき氏、終身雇用を夢見る若者に「バカなの?(笑)」 現実とのギャップを冷静に語る | ログミー[o_O]
終身雇用って、昔から大手務めの話みたいなところがあって、中小務めはそれなりに不安を持っている気がしますが、どうなのでしょう。
コラム:賃金は下がっているか―賃金統計雑感―/独立行政法人 労働政策研究・研修機構(JILPT)
一方で、ここ数年「日本の若者は貧しくなっている」という話をよく聞きますが、少し違和感があります。
昔から若者は薄給だと思いますが、そもそも賃金の話で出てくる「若者層」って、どの年代まで含まれるのでしょうかね。
感覚的には25歳以下なのですが、最近は30代を含めているものも見かけます。
非正規雇用率
第1節 労働|平成25年版子ども・若者白書(全体版) - 内閣府
非正規雇用は、全体の33.6%で、内70.2%が女性、男性は29.8%です。
非正規率が高いのは、25歳未満と60歳以上であり、25歳~59歳に絞ると、男性非正規は1~2割しかいません。
非正規雇用は地方で多いため、東京に住む男性だと非正規率は下がります。
非正規率を上げているのは女性・若年層・高齢層であり、それ以外の男性非正規率はそれほど高くありません。
所得額は減っているか
平成8年に世帯収入があがっていますが、人口数が増えた時期です。
上図は「世帯所得」なので、労働人口数の増減に伴って変動します。
全世帯の所得平均は減少傾向にありますが、単身世帯の増加に伴った変化で、1世帯辺りの所得はあまり変わっていません。
それは高給取り世代を含んだ推移でしょ?
1年勤続者の平均給与は、平成元年402万円→平成24年408万円とアップしています。
平成9年に460万円まで増えているため、現在は低くなっているように感じますが、2014年はまだ平成元年よりも高いです。
昭和24年からの給与推移が以下です。
大卒の月給をみても、1990年17万円→2012年20万円、とアップしています。
若者世代の所得も上がっているということです。
物価が高くなり、相対的に下がっているのでは?
大卒初任給で現在の価格に換算した金額もみれますが、上がっています。
使える!統計講座 【深瀬勝範】 - 第18回 物価の動きを調べる ~消費者物価指数~|人事のための課題解決サイト|jin-jour(ジンジュール)
物価との兼ね合いをみる「実質賃金」も、1976年(昭和51)から「1.3倍」になっています。
これは昭和45年~平成23年までの、月給と実質賃金の推移図です。
実質賃金の推移図は、平成元年以降のものが多いため、どちらも下がっているように見えますが、長期推移では増加しています。
なぜ平成元年(昭和64年)以降のデータかというと、昭和61~平成3年までバブル景気だったからです。
一部期間が抜けていて恐縮ですが、ちょうど賃金が急上昇している辺りからバブルが始まります。
バブル前の昭和48年~昭和58年までは「オイルショック」等があり、賃金水準が高くありませんでした。
「低下」「下降」といった表現を目にしますが、「上昇率」の話であることが多いです。
期待ほどは上がっていない、ということですね。
現在もバブル時並みの高水準を保っています。
平均賃金レポート | アルバイト採用・育成に役立つ人材市場レポート「an report」
バイト自給も上昇していて、2014年の平均時給は「990円」です。
昔から初任給よりバイト代の方が上昇率は高いですが、1976年に600円くらいだったとすると、990円はかなりの上昇率です。
派遣社員の平均時給は現在1500円弱ですから、時間給の格差は縮まっているのではないかと思います。
ただ、求人は人手が足りないところで募集をしているわけですから、居心地の良い職場では低賃金のまま働いている人も少なくないと思います。
そう考えた場合、平均賃金の上昇は、単なる正常化である可能性もあります。
そのぶん仕事内容がキツくなっているのでは?
平均労働時間は減少しています。
理由は2つあり、1つは非正規率が増加したからです。
所定外労働時間(残業など)は正規の方が長いです。
しかし、正規でも「週の労働時間が60時間以上の割合」が14.2%まで減っています。
年間の総労働時間は、パート労働者を除いても、やや減少傾向にあります。
労働時間が減少傾向にあるもう1つの理由は、「週休2日制の導入」が理由です。
現在90%以上の人が週休2日制で働いており、年間休日数は、平成21年までの25年間に20日間以上増えています。
1日の労働時間は伸びましたが、休みは多くなっています。
問題は、それが労働者にとって得になっているかどうかです。
年間休日113日で総労働時間が1996時間の場合、1日の平均労働時間は7.9時間です。
[24h×113日]+[16h×252日]=6744時間、が年間の私的時間です。
([日×年間休日]+[1日の私的時間×労働日数])
一方、年間休日100日で、1日の平均労働時間が6.3時間(※)の場合。
[24h×100日]+[17.7h×265日]=7090時間、が年間の私的時間です。
※(年休差13日分の時間+年休113日の労働時間)÷年休100日の労働日数
年間休日の差13日分の時間は312時間で、年間私的時間の合計差は346時間ですから、1日の労働時間が短い方が、プライベートな時間が増えます。
どちらにも損得はありますが、年休を多くして総労働時間を下げ場合、会社は不正を行いやすくなります。
裁量労働制や年俸制では、厳密に労働時間が管理されていません。
休日出社も所定時間外労働も明確な記録がないため、国の統計には反映されません。
年間休日よりも、労働時間の方がごまかし易いです。
視点・論点 「過労死は告発する」 | 視点・論点 | 解説委員室:NHK
労災申請等は激増しています。
労働環境に改善の余地があるのは間違いありませんが、仕事内容がキツくなっているかどうかまでは分かりません。
死亡原因の内、自殺は約3%で、その内「勤務問題」を理由とした自殺は30%です。
自殺動機は、高齢者の「健康問題」が最も多く、50代「経済・生活苦」をピークに30~50代でも多くなります。
労働死や過労自殺は増加していますが、理由は多岐に渡ります。
日本人の働き方と労働時間に関する現状の平均睡眠時間をみると、1976年→2011年で男性4.47時間減、女性3.05時間減になっています。
自殺については、社会全体の雰囲気やライフスタイルの変化が与えている影響が大きいのではないかと思います。
金融資産の動き
▼2011
日本の富裕層・超富裕層は81万世帯、その純金融資産総額は188兆円~震災等で規模は減少傾向、遺言等の相続対策が進展~ | 野村総合研究所(NRI)
▼2013
日本の富裕層は101万世帯、純金融資産総額は241兆円 | 野村総合研究所(NRI)
この2年間で、214万世帯増えていて、金融資産は150兆円増です。
各層の平均を割り出すと、大幅に金融資産が増えているのは「超富裕層」だけです。
全世帯の内、80%が「マス層」、12~13%が「アッパーマス層」であり、割合はあまり変化していません。
日本の世帯は、90%以上がこの層になります。
世帯数が増えている背景には、単身世帯の増加があります。
各割合の変化が小さいということは、1人あたりの金融資産額は増えている可能性がありますが、単身世帯層といっても年齢幅が広いです。
生産年齢人口(15~64歳)は2300万人減り、65歳以上は2100万人増えていますが、下図の通り、高齢者の単身世帯が急増しているわけではありません。
単身世帯の内訳では、高齢単身世帯は減ってきていて、35歳以下で増えています。
「晩婚化」しているということですね。
2011年 | 2013年 | |
~34歳 | 644,859 | 694,830 |
35~59歳 | 998,247 | 988,037 |
60歳~ | 1,954,092 | 1,830,087 |
増加した214万世帯の内、134万世帯が「マス層」です。
「準富裕層」46.5万世帯増、「富裕層」19.3万世帯増、「アッパーマス層」13.3万世帯増、「超富裕層」0.4万世帯増、と続きます。
「マス層」と「準富裕層」の世帯増加に対して、その間である「アッパーマス層」は増加が控え目です。
ここで分断されているということは、「マス層」の増加は若者単身者の増加によるもので、これまで「アッパーマス層」であった世帯が「準富裕層」に押し上げられたということかもしれません。
金融資産はやや減っていますが、若者層が多いと仕方がないかもしれません。
また、「超富裕層」は0.4万世帯しか増えていないのに、金融貯蓄の増加率は一番高く、1世帯平均5億円ほど増えています。
その他の層では、平均はあまり変わりませんから、景気全体が良くなって金融資産が増えたわけではなく、投資評価が上がったということなのかもしれません。